・NOVEL(短編)・

□不安のち大好き
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――く、くれるかな・・・?
去年はくれたんだけど・・・。

そんな心配を心に楽屋に入る。
辺りを見回して誰がいるかチェック。

えと、ももはいつも通りいなくて・・・・・・あれ?

みやいない・・・。

この時間だったらいつも来てるのに・・・。



「熊井ちゃん!みや来てないの?」



ベリーズ王国を始めてから、前よりみやともあたしとも仲良くなった熊井ちゃんに聞く。



「みや?あー・・・そういえば来てないね。」



「そっか・・・。あ、はい。」



来てないと聞いてちょっと心配になりながら、熊井ちゃんにチョコを渡す。
・・・もちろん義理で。



「ありがとー!梨沙子もはい!」



熊井ちゃんとそんなやり取りをしてから、他のメンバーともあげて貰ってを繰り返す。


集合10分前になったけど、まだ来ない。
さすがに心配になってきた。


ガチャ。


――来たっ!



「ちょっともも!くっつきすぎ!!」



「えー?いいじゃーん!ももとみやラブラブ?みたいな!」



「違うから。バカじゃないの?」



「そんなこと言っちゃって〜。本当ツンデレなんだからっ!!」



「ツンデレじゃないし。」



「ツンデレだよ!今日も朝一番にチョコ渡してくれたし?」



「それは・・・!!たまたま会ったから渡しただけじゃん!!てか本当いい加減にしないと梨沙子が・・・。」



そんな言い合いをしながら楽屋に入ってきたみやともも。
あたしと目が合ったみやは慌ててももを引き離した。



「梨沙子違うよ?本当たまたま会っただけだから。」



・・・何が違うの?
言わなくてもわかってるよ。
そうやって慌てて言われたら、逆に疑っちゃうよ・・・。



「・・・わかってる、わかってるもん。」



そう言ってあたしは楽屋から飛び出した。
楽屋から出る時、ももと目が合った。
・・・ももは笑ってた。



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