・短編E・
□反撃のきっかけ
1ページ/1ページ
「ももって酔うとどうなんの?」
ふと思い付いた疑問だった。
特に意味はなくて。
ただ、ちょっと気になっただけ。
「こ、っんな・・・時、聞くの・・・んっ・・・ほんっ、と・・・デリカシー、ない、とおも・・・う・・・っ!」
気になるタイミングが悪かったみたいだ。
一睨みされて、おぉ怖い、と肩をすくめる。
「ごめんごめん、ちょっと気になって、さ」
そう言いながら胸の中心の固くなった部分を口に含む。
舌と歯を使って刺激すると、中に入ってるだけのあたしの指に焦れてゆるゆると動いていたももの腰の動きが激しくなった。
「いいね、その動き」
笑ってそう告げるとももは赤くなって腰の動きを止める。
だけどあたしは知ってる。
そのままにしてると、また動き出すことを。
「我慢しなくていいのに」
「えろ・・・っ、おやじっ・・・!」
そう言いながらもやっぱり動き出した。
それに、そろそろ勘弁してやろうと一気に指を動かす。
喘ぎながら大きく仰け反ったももは、次の瞬間体の力が抜けていた。
それでも、あたしはさっきの疑問が頭をちらついたままだった。
―――――――――――――
「ということで用意しました」
「・・・・・・なにしてるの」
次の日の朝。
今日は一日OFFなので、ももが起きる前にコンビニに行ってお酒を大量購入。
ビール、チューハイ、日本酒、などなど。
ももがどれを好きとかはわからないので適当に。
「昨日あたしが言ったこと覚えてない?」
「いや、覚えてるけど・・・」
「じゃあ飲もう!」
あたしはお酒飲めないので、それっぽい炭酸飲料も買ってきた。
準備満タン、とももに笑いかけてから炭酸を飲み始めると、もうやるしかないんだなと観念したもももお酒を飲み始める。
「ていうかどうなるかって質問、答えてもらってない」
「まだそんなに飲んだことないからわかんないよ」
そう言ってお酒を口に含むももはちょっとしかめっ面で、本当にお酒の味にまだ慣れていないようだ。
たまに舌をべーっと出してる。
うーん、気になる。
飲み始めて30分。
ももの顔が少し赤くなってきて、それでも味には慣れてきたみたいで美味しそうに飲むものだから。
仕事上、飲酒がバレたら洒落にならないので飲んだことはなかったけど、今なら、少し口に含むくらいなら大丈夫なんじゃないか。
「ちょっと、飲ましてよ」
「まだ未成年でしょ」
「ちょっとくらい良いじゃん」
「だーめ」
飲んじゃだめと言われれば言われるほど飲みたくなる。
人間ってそういうものじゃん。
ももが少し目を離した隙に、お酒に手を伸ばす。
「こらっ!」
あ、気づかれた。
急いで自分の方に引き寄せようとするも、すぐ取り上げられて、またそれに手を伸ばすと一気に全部飲み干された。
「あー!!」
ズルいとケチと勿体無いという気持ちが混じった声を出す。
非難するように睨むけど、どこかももの様子がおかしいことに気づいた。
もしかして、酔った?
俯いたまま動かない。
おーい、と声をかけて顔を覗き込もうとした瞬間ももが顔を上げた。
目、据わってる・・・。
嫌な予感するな、と思うと同時に視界が反転。
ももの後ろに白い天井。
押し倒されたと理解する前にももの手が服の中に侵入してきた。
「や、ちょ、待った!」
待ったをかけるも止まる気配などなくて。
着ていたTシャツを捲し上げられ、下着も押し上げられて、ももの手はあたしの脇腹を撫でて、ももの舌があたしの首筋を這う。
なにも、考える暇なんてない。
「も、も・・・!」
どうしようもなくなって、ただすがるように名前を呼ぶ。
すると、今まで全然止まらなかったももの動きが止まった。
「もも・・・」
安心してホッと一息。
真正面にあるももの顔を見る。
あぁ、やばい。
ももは怒った時のような顔をしていて。
口元は笑ってるんだけど目は全然笑ってなくて。
「今までの仕返し、させてもらうね」
ゾクッとするような声音。
もう諦めるしかないみたいだ。
目を瞑りながら、今後ももには禁酒を命じようと誓った。
end