・短編D・

□君がいれば
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なんでみんなももに冷たいんだろ。



ベリーズとの仕事が多くなり、一番あたしが思うのはそれだった。
確かにももはいじられキャラだし℃-uteのみんなでも弄ることはある。
だけど、なんだかもも以外のベリーズの反応を見てるとモヤモヤしてしまう。



「なんでだろ・・・。」



あたしが口出すことじゃないのにね。

そう思ってチラッとももの方向を見る。
そこでは、執拗に構ってオーラを出してるももをちぃが嫌がっていた。



「むー・・・。」



まただ。
モヤモヤする。
結局構ってもらえなかったももが寂しそうにしてるのを見て更にモヤモヤした。



「舞美?」



気持ちの整理が出来なくてうつむいていると、いつの間にかこっちに来てたももに話しかけられた。
バッと顔をあげると驚いたようなももの顔。



「・・・なに?」



「いや、元気なさそうだから体調悪いのかなーって。」



そう言われてハッとなる。
もしかしたらこの変な気持ちはももに関係ないのかもしれない。
ももの言うようにただ体調が悪いだけなんじゃないか。



「た、体調っ!悪いのかも!!」



「うわっ!え?大丈夫?どこが悪いの?」



いきなりももの肩をガシッと掴むあたし。
そんなあたしに驚きながらも、ももは心配そうにそう訊いてくる。



「なんかねっ、すごいモヤモヤするんだ!胸らへんが!!」



「モヤモヤ?どういう時?」



「関係あるかわかんないけどっ、主になるのはもも見てる時!細かく言うとももがベリーズのメンバーに冷たくあしらわれてる時!!これなんなんだろっ?おかしいよねっ?変な病気かなっ?」



一生懸命伝える。
早くこのモヤモヤが取れてほしい。
よくわかんないことで悩むのなんて嫌だ。

そう思ってももの言葉を待つ。
だけど一向に言葉は聞こえてこなくてももの表情は固まったままだった。



「・・・・・・もも?」



痺れを切らしてあたしから話しかけるとハッとして反応するもも。
なんでそんな反応なのかわからないけど、とりあえずこのモヤモヤがなんなのか知りたくて黙って待つ。



「えーっと、あのさぁ・・・」



「うん!!」



思わず前のめりになるあたしをグッと押し返してももが続ける。
なぜだか知らないけどその顔はにやけていた。



「んー・・・本当にわかってないんだよね?」



「なにが?」



「いや、うん、いや・・・いいよ。ももが教えてあげる。」



そう言った瞬間近づいてくるももの顔。
特に避けることもなく何が行われるのだろうとジッとしていたら、なんだか唇に柔らかい感触が。



「・・・・・・舞美はね、もものこと好きなんだよ。」



一瞬唇が触れあった後、小さく囁かれる。
そして言われた言葉を繰り返す。



「あたしが、もものこと、好き?」



ももを見てると起こるモヤモヤ。
あたしの唇に触れたももの唇。
囁かれた言葉。

よくよく考えてみれば、ももに言われたことは納得できる内容だった。



「そっかぁ・・・あたし、もものこと好きなのかぁ。」



すんなりと受け入れられたあたしの言葉に、ももはポカンとする。
そんなももを不思議に思って首を傾げると、ももが呆れたように口を開いた。



「舞美単純すぎ。なんかもも不安になってきたんだけど。」



「えー?じゃあ違うのかなぁ。」



「いや!違わない違わない!舞美はもものこと好きだよ絶対!!」



慌ててそう言うももに笑みが零れる。
ひょんなことからわかったことだけど、なんだか納得しちゃったからいいや。

それに、こうやってももと話してると全然モヤモヤしない。
むしろ楽しくて。



「もも、なるべく離れないでね。」



「え?」



「ももが近くにいないと調子狂っちゃうから。」



「・・・・・・・・・こんの天然タラシ。もも以外にそんなこと言ったら怒るよ。」



「言わないよ。あたしが好きなのももだけだもん。」



「さっき知ったくせに調子良すぎ。」



「ももが傍にいるからね。」



ももがいないと調子が狂う。
ももがいると調子が良くなる。

つまり、そういうこと。



end

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