・MAIN(二次版権)・

□授業中
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マナーモードに設定してある携帯が震える。

はぁ、こんな時に送ってくるのはあの人くらい。

『カトーさんカトーさん。』

あの人、サトーさんは見た目に似合わずシンプルな文だ。

『何?今授業中なんだけど。』

『知ってるよ。私も受けてるじゃん。』

いや、それは私も知っているけれど・・・。
呆れてサトーさんの方を見る。
サトーさんは、にへらーと笑って手をひらひらさせてた。
こんな人がこんな文だとは。みんな思ってないだろう。

サトーさんは携帯を使うのが面倒くさいらしく周りの友達にあまりアドレスを教えない。
それは結構自慢だったりする。ヤキモチとかやかないですむし。
まぁ、電話番号は誰にでも教えるからあまりいいとは言えないのだけど。

『それで用件は?』

『つまんないんだよねー。』

よく言うわ。メールは別に楽しいとは思わないとかこの間言ってたくせに。

『メールは楽しいのかしら?』

すぐ返ってきてたメールが止まる。悩んでるのはわかってるので、敢えてサトーさんの方は見ない。
少したって携帯が震える。

『カトーさんとだったら楽しい。』

メールだとこういう事言えるのね。今度はサトーさんの方を見る。
・・・机に伏せてる。やっぱりメールでも照れたりはするのね。

「佐藤さーん。居眠りはダメよー?」

先生がサトーさんの方へ行く。
この先生はサトーさんの事を気に入っているから怒ったりはしない。というか今もただ絡みたかっただけだろう。

「先生ー、寝てないですよー。」

「本当?佐藤さんいつも真面目に聞いてくれないからなぁ?」

そんな事言ってるけど顔はすごくニコニコしてる。
どんだけ好きなのよ・・・。

「えー!!いつも真面目ですよ私!ほら私先生の事大好きだから。」

とかサトーさんもバカみたいにニコニコ(へらへら?)するからこの先生も勘違いするんじゃない。

「ったくー!口がうまいんだから!!」

「ははは〜。」

はぁ、ちゃんと授業進めなさいよ。
周りの人も笑って見てないで、何か言いなさい。

「聖さん!私は?」

そういうのは言わなくて良いわよ!!

「もちろん好きですよー。」

またそうやってへらへらと・・・。もう限界。

「先生。具合悪いので医務室行ってきます。」

サトーさんの方はもちろん全く見ないわよ。まぁでも驚いてるでしょう。



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