・二次版権A・

□笑えよ
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真冬の休日。
こんな寒い日は部屋で1日ゲームでもして過ごすのがいい。
そう思い、昨日から徹夜でゲームをしている。

なのにこいつは・・・。

「あーやーなー。お外いこーよー!!デートしよーよー!!」

「・・・1人で行ってこい。」

朝起きてからずっとこの様子。
しかも隣で騒ぐもんだからうるさくてかなわない。

「1人でなんか行きたくない!!」

「じゃあ行かなきゃいいだろ。」

「むー・・・。」

私に一向に行く気配がない事に気づいたのか、諦めた様子で二段ベッドの上に登っていく。

しばらく何も話しかけてこない。
寝たのか?と思って順のベッドを覗く。

「・・・・・・いの。」

「は?起きてたのか?」

「綾那と一緒じゃないと意味ないの!!」

向こう側をむいたまま叫ぶ順。


・・・はぁ。


「・・・行くぞ。」

私はハシゴから降りて着替え始める。

「えっ?何っ?なんでっ?」

慌てて起き上がる順を無視して部屋から出ようとする。

「ま、待ってよ!」

「・・・早くしないとおいてく。」

順はお得意の忍者のような動きでこっちにくる。

「な、なんで急に!?」

「・・・嫌だったら帰るぞ。」

「や、嫌じゃない!嫌じゃない!!」

「じゃあごちゃごちゃ言ってないで早く行くぞ。」

「・・・うん!!」

そう返事して、満面の笑みを浮かべる順。
私はそれを見て微笑んだ。
もちろん順に見られないように、早歩きするのを忘れずに。





――お前の拗ねた顔見た時、お前の笑顔が見たいと思った、なんて言えるか・・・。



end

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