・二次版権A・
□2人で寒さを防ぐには
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学校から寮への帰り道。
私が委員会で遅くまで残りだったのに順が待っててくれた。
だから今、一緒に帰っているのだ。
「さっむ!」
ひーっ、とか言いながらちょっと前を歩く順。
「夕歩大丈夫ー?」
フラフラ歩いてるなぁとか思ってたら近づいてきて、自分のマフラーを私にかける。
そんなことしたら順が寒いのに・・・。
ただでさえ私が手袋忘れて、貸してくれてるんだから。
「順、いいよ。寒いでしょ?」
「んー?・・・順ちゃんは忍者だから大丈夫なのでしたー。」
と言いながら震えてる。手もずっとポケットに入れっぱなしだし。
「・・・本当は泣きたいくらい寒いくせに。」
今日の気温は6℃。
しかも今は太陽が全く出てない上に風が強く吹いている。
体感温度はもっと低いはずだ。
「そんなことないって!へっちゃらへっちゃら〜。」
そう言ってヘラヘラ笑う順に今度は私が近づく。
「順。」
「ん?」
こっちを向いた瞬間にマフラーの片方の端を順に巻きつける。
つまり、2人で一つのマフラーをしてる状態。
「これで2人とも寒くない//」
びっくりしてる順の反応を見て、少し恥ずかしくなりうつむく。
「・・・へへっ//」
軽く笑ったと同時に、私の左手の手袋を取った。
どうするんだろ、と思ってたらそのまま自分の左手にはめ、右手は私の右手を握る。
「こっちの方があったかいよ。」
そう言って笑った順の顔はいつものヘラヘラ顔じゃなくて、私の大好きな優しい笑顔だった。
今日はこのくらい許してあげようかな・・・。
「そうだね。」
そう言って私は、順の手をギュッと握りしめた。
end