・短編C・
□四月バカ
1ページ/1ページ
今日は4月1日。
3月から4月に変わる記念ということで、昨日は雅を絵里の家に泊まらせた。
雅に『意味わかんないんですけど』って言われたけど、特に抵抗もせずに泊まったから意外に乗り気だったんじゃないかな。
まぁ、そういうことで昨日は熱い夜を過ごした訳です。
「みーやびー、起きろよぉ。」
「・・・・・・・・・・・・もうちょっと寝かしてくださいよ。」
つまり絵里は元気で雅はくたくた。
そんな可愛い雅を寝かしときたい絵里でもない。
構ってほしくて、ベッドの上で布団にくるまって寝てる雅と平行に寝転がる。
じーっと見てると、呆れたように片目を開ける雅。
「・・・・・・・・・・・・亀井さん、大嫌いです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?
いきなりのその言葉に声が出ないほど驚く。
だって、今までどんなに絵里がウザく構ってもそんな言葉はなかった。
「構わないでほしいし、触んないでほしいし、愛さないでほしいです。」
続けてそんなことを言った雅に、ちょっと違和感を感じる。
いくらなんでもいきなり言い過ぎだし、なんか知らないけど言った本人は真っ赤になっていた。
怒ってる訳でもなさそうだ。
と、そこまで考えたところで昨日のことを思い出す。
―――――――――――
『明日ってエイプリルフールですよね?』
『え?あー、本当だ。』
『・・・・・・・・・・・・あたし、明日嘘しか言いませんから。』
『何それー!絵里に嘘つく気かぁ?』
『そーですそーです。』
『そんな生意気な雅にはお仕置きだー!!』
『ちょっ!そんな言いがかり酷いんですけど!!』
『雅が悪いんだもーん。』
―――――――――――
・・・・・・・・・・・・・・・可愛いなぁ。
見た目は大人びてるけど、やっぱり中身はまだまだ子供ってか。
そんな、素直か素直じゃないのかわからない雅に更に近づく。
「みーやーびー、好きだよー。」
一寸先の雅が目を開けた。
絵里の近さにちょっと驚いてから、今の言葉にショックを受けたように顔を歪ませる。
「絵里はさぁ、雅と違って嘘はつかないんだよぉ。」
へにゃりと笑って雅に口づける。
また驚いた様子の雅に、恥ずかしい言葉を何回も囁くと『止めてください』と言われた。
でも絵里は止めない。
だって、雅は言ったもん。
大好きです。
構ってほしい。
触ってほしい。
愛してほしい。
ってね。
end
亀夏でしたーw
拍手アンケートで堂々の一位!
結構好きな人いるんだなぁ、って意外でした←
私も書くの好きなんですけどねww
夏焼さんの敬語が好きです←
次は多分、前矢ですw