・短編C・
□9期の性格を夏焼さんと絡ませて私なりに書いてみた。
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『鈴木香音の場合』
自販機の前。
2人のメンバーとあたしの分のジュースを買いに来たら(ジャンケンに負けた)、珍しい子が立ちふさがっていた。
珍しいっていうか、ほとんど会ったことも喋ったこともないんだけど。
「香音ちゃん?」
自販機と向き合ったまま動かない香音ちゃんに声をかける。
パッと振り返った香音ちゃんは、お正月に会った時と変わらない笑顔を見せてくれた。
「夏焼さん!こんにちは!」
「・・・・・・うん、こんにちは。何してんの?」
ちぃに負けないくらい大きい声に押されながらも訊いてみる。
すると香音ちゃんは、目を細くしながらまた自販機を見つめ始めた。
「ちょっと、どれを買うか迷ってましてねぇ。あ、先どうぞ!」
「へぇ・・・・・・どーも。」
そんなことをずっと悩んでたのか・・・。
ちぃ並みにくだらない悩みに呆れながら、頼まれてた分と自分の分のジュースを買う。
「そんなに飲むんですか!!」
「そ、そんな訳ないじゃん!これはメンバーの分!」
なんか変な疑いをかけられて必死に反論。
子供相手になに焦ってるんだ自分・・・・・・。
「え!いじめですか!?」
「違う!ジャンケン負けたの!!」
・・・・・・・・・なんかペース崩されるんですけど。
それがちょっと嫌で早く楽屋に帰ろうとする。
「・・・・・・あたし行くね。」
「決めました!」
「は?」
噛み合ってない会話に呆れながら振り返ると、あたしが買ったジュースと同じものを買う香音ちゃん。
それを取り出してあたしに見せつけてくる。
「夏焼さんとお揃いです!!」
「・・・・・・・・・あそ。じゃあね。」
「えー!冷たいですよぉ!」
そんな文句を言いながら笑ってる変な後輩。
さっき、ちょっと可愛いなんて思ってしまったことは内緒だ。
end