Novel
□きっかけの国
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「綺麗な曲だね」
「そうですね」
シズとキノはベンチに二人で座って国中に流れているオルゴールの音色を聴いている
本当はカフェに入るつもりだったが国民がみんなくつろぎながら聴いていてベンチくらいしか空いていなかった。
「半分くらいの人は……寝てるみたいだね。風邪ひかないといいけど」
「もう全員慣れてるんですよきっと。でも確かにずっと聴いてると眠くなり……ふぁ」
キノはあくびをしてシズが苦笑した
少し照れたキノは話題を出す
「そう言えばティファナちゃんと陸くんは?」
「ティーはもう寝てるから陸はそのお守りさ」
「なんだか楽しそうですね」
「ああ。なんならキノさんも一緒に旅をするかい?」
なんてね、と言おうとしたら
「はい。」
「はい?」
シズはキノの返事を聞いて同じ言葉を言ってしまった
キノは言う
「ボクでよければ一緒に旅をさせてください、こうゆうのも楽しそうですし」
シズはそれはもう驚いた顔をしていてそれから
「知らない男にはホイホイついていかないと言われていたのでは?」
とほほ笑み
「もう知らない男ではありませんから」
とキノはほほ笑み返した
「商品のオルゴールをタダでもらうんなんてどんな脅迫したのさキノは……」
「失礼だな」
キノはエルメスを押して国の門へと向かってシズと合流した
「おはようございますシズさん。これからよろしくお願いしますね」
「やぁキノさん。こちらこそ」
「おはよーそして久しぶり元王子様、キノから聞いたよ、よろしくー」
「お久しぶりですキノ様鉄の塊をまだ連れているとはキノ様も大変でしょう。私も粗相のないようよろしくお願いします」
「…………く」
シズとキノとエルメスと陸とティーはそれぞれ挨拶を済ませて一緒に国を出た
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「(メチャクチャ嬉しいみたいだねキノ。シズさんと一緒でさ)」
「(違うよ)」
「(そういやあのオルゴールシズさんも持ってたね、よかったねーお揃いで。)」
「(…そんなんじゃないよ)」
「(まぁまぁ、存分にイチャイチャしちゃいなよ)」
その瞬間エルメスのタンクを叩く音がかなり響いたという……