アンケート小説

□小さくたって狼なんです
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――「それでは一時休憩!皆、思い思いに休息を取るように!それでは・・・いってよし!」
そう、氷帝学園のテニス部コーチ榊太郎の決め台詞が飛び交えば、一斉に上がる気の抜けた声。

ここは氷帝学園のテニス部コート。

最近設備が整えられたそこは、新しいペンキと鉄の匂いが混じり心が浮き立つような雰囲気を醸し出している。

そこで練習しているのは、レギュラーの何人かと、準レギュラーの幾人。

後は奥の旧コートにて練習をしていてここは言わば許された者のみが入れる聖域。

そこで練習をしているのは、このコートを作った張本人――更には現在の実力主義を徹底した氷帝テニス部の基盤を一年生にして作り上げた少年、跡部景吾だ。

流れるような銀髪に、まるでフランス人形のように整えられた容姿をしている彼は、周りがうっとりする位に綺麗な顔立ちをしている。

そんな彼を一目見ようと一〜三年問わずコート脇のフェンスに集まっているのだからその人気は計り知れない。

まぁ当の本人は全く気にせず涼しい顔で水分補給をしているが。

「相変わらずの人気やなぁ・・・まぁ、羨ましくはないけど。」

「クソクソ跡部!何でお前だけこんなにモテンだよ?!」
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