アンケート小説

□相互理解と排他的思考
2ページ/7ページ

「あの、お二人は今日はどうしてこちらへ?」

昼時の午後1時。

人通りもまばらな公園で、一人の少女と二人の青年はベンチに座りながらそんな会話をしていた。

少女の名前は竜崎桜乃。

彼女は青春学園一年生であり、青春学園テニス部のコーチ、竜崎スミレの孫娘である。

長い三つ編みと大きな丸い目が特徴の彼女は、ピンクのフリルのワンピースに身を包みニコニコと笑っている。

一方、話しかけられている青年二人はと言えば。

「私は図書館に本を借りに。」

「俺は、近くをブラブラと散歩じゃ。」

一人は、優雅な仕草で眼鏡を押し上げ、もう一人は何の気なしに視線をあさってに向けて答えた。

彼らは柳生比呂士と仁王雅治。
二人とも立海大のテニス部三年生でありレギュラーメンバー、更には共にダブルスのパートナーでもある。


そんな二人が何故、他校である筈の桜乃と知り合いかと言えば、理由は彼女の祖母、スミレに原因があった。

スミレは先程も言ったようにテニス部の顧問・・・そうすると桜乃も自然と手伝いに出されることが多くなり、それらでんでんで二人と桜乃は他校同士にも関わらず仲良くなれたのだ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ