小説

□怖いのは君
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確かに、入ろうって言ったのは俺だ。誘ったのも俺だったし。
でもまさか、こんな状況になるなんて思わないだろうが?!

役得……?いや、蛇の生殺しだ。


──「キャー!」

遊園地。人々が娯楽を楽しみに訪れる施設で、氷帝学園、二年生レギュラー日吉若は人生最大の難問にぶつかっていた。

「おい……お前ちょっと落ち着……」

『ヴォオオ〜!!!』

「キャ〜っ!?!いやぁあ〜っ!!!」

理由はさっきから悲鳴を上げて自分の腕にしがみついてくるこの少女、竜崎桜乃にあった。

(まいったな……)

日吉は溜め息を吐いて、立ち尽くすしかなかった。

今、2人がいるのは遊園地の中にあるアトラクション『ミッドナイトホラーハウス』。
とどのつまりはお化け屋敷の中である。

このアトラクションは最近できたもので今遊園地の一番の目玉。
それに興味を持ったのも、誘ったのももちろん日吉だ。

無類の怪談話好きの日吉は、幽霊、お化けと名のつく物が大好きだ。
だから、このお化け屋敷に入りたいと言ったのだが……
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