novel・2

□あの時、あの季節
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俺達の代の卒業式。


長太郎は言った。





俺の隣は開けといてくれって



だから、待つぜ。





だって、俺だって



お前としかダブルス出来ねぇ。






*******************




季節は春、なのに

季節外れの銀世界。



おかげで大会前なのに部活は休み。



1人、ジャージを着ながら壁打ちをする。



今日はそもそも登校日ではない。


なのに、何故か来てしまった。



いや、来なくてはいけなかった。





(-----------はぁ、まだ終わらねぇのか…)




こんな天気だから、やることは限られている。



暇すぎた。




「……寒いな。」



冷たくなった肩を擦りながら、部室に入ろうとしたら




「宍戸さんっ!!!」




「!!」



走ってくる銀の綺麗な髪が揺れている…


一年前に見慣れた光景。



「…長太郎…」



「へへ、今終わりましたFあっ、宍戸さん鼻真っ赤ですよ?ずっと外に居たんですか!?」



「わ、わりぃかよ////」



「風邪、引いてしまいます。さっ、これきてください」




長太郎は自分の着ていたコートを脱ぐ。



「お、おいっ!本当に大丈夫だか、ら………………お前、それ……」




コートのしたから見える高等部の制服。




「へへ、ど、うですか……?」



「…………似合、ってる、ぜっ…」



「宍戸さん、なぁに泣いてんですか?」



「だって、長………一年…長いんだよっ………」



「はい」



「寂しいに…決まってるだろ…」




たった一年、じゃなく一年も…………



「激ダサ、ですよ」



「あほっ…ばかっ……」



「ごめんなさい、それとありがとうございます。」



お前の為じゃねぇからな………声にはださねぇけど…



けど、今だけは…そう思う。







「おめでと…………長太郎。」


「ありがとう、ございます…またダブルス組めますね…」



「あぁ!!」




すべてはお前の為だ…

って最終的には折れる俺。




おめでとう、長太郎


そして、よろしく



恋人(アイボウ)




END


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