novel・2

□月の下
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「真田…あの、俺…全国終わってから真田に言いたいことがあったんだ。」



「??」



俺の胸に頭を預けている幸村は下を向きながらも、心は真っ直ぐに俺を見ていた。



「……毎日、見舞いに来てくれた真田に心が揺れた。全国終わってから、いい結果が出てから、真田に





好きって、言いたかったのっ……!!」



「ッ……!」



シャツを握る手を強める幸村と同じくらい自分の心臓が早い。



「………でも、やっぱりいい。今のは聞かなかった事にして、忘れて。」




何故




「………幸村!!」



「……なんだよ、怒ったなら謝るよ。変なことを言ってすまない。」



「ちがうっ!…………お前は自分の気持ちを伝えただけで満足か……??」



「…………どういう意味?変な期待持たせないでよ!?」



「……変な期待なんて、持たせん。それは……俺もお前を…」



「慰めならお断りだよ。」



「違うっ!!」



グイッ!!




こんな事初めてだ。



いつもは受け身な俺だ。


なのに今日は動かなきゃ、

お前をこの手に掴まなきゃ、




チャンスを逃してしまう気がして…




「んッ………ふ、んぁん……」



「ッ………幸村…」



止まらない…たるんどるな




「真田…なんで?」



「わからんか……?


俺だって、決めていたんだ。

お前に言うって…」




「真田ッ……!!」



腕の中、愛しい身体を抱き締めて
そのままその場に座り込む。





「愛してるぞ、幸村…だから…」



「わかってる…ありがとう真田…俺も愛してる……」




月の下、


二人は誓った。



次は


全国を支配してみせると。






END






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