小説
□非日常な日常
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「何だこれ…」
澄んだ風が吹く朝、いつも通りサメハダ岩で寝ていたのに、なんか周りからざわざわ声がするなぁとか思って目を開けたら、
皆がいた。
ありえないだろ…
伝説系は殆どでかいからサメハダ岩の中に全員入るはずないんだけど…。ああいや、頑張れば皆入ってこれるけど、天井が…。
とにかく全員揃っている。
「何か皆…ちっちゃいんだけど…」
『小さいって言うな!!』
全員で突っ込むなよ…
「あ、ティナー」
「フィオネちゃん…これいったいどうしたの…」
「うん、なんかねー。皆朝起きたらちっちゃくなっちゃってたみたいー」
そう言うフィオネも、いつもより一回り小さいし…。
取り敢えず、ディアルガに聞いてみるか。
「ディアルガー……」
「…おい、固まるな」
「だって…なにそれ…」
見るとディアルガは私よりちょっと大きいけど、立派な縫いぐるみサイズで私の前に立っていた。
なんつーか、
可愛い。
そんな事本人に言ったら怒るんだろうけど、勝手に口をついて来るのだからしょうがない。
「可愛いー…」
「ぐっ……」
おー
怒ってる、ふるふる震えてるのが可愛い。
「で、なんでこんな事になっちゃってるの?」
抱き付いて来たレジの頭を撫でながら聞いた。
さすがに3匹全員は無理だから、取り敢えず一番近くにいたレジロックの頭を撫でておく。
「うむ、どうやら私以上の神格を持つ神の仕業らしい、…くそ、あの創造主め…」
最後の方は小さくて聞えなかったけど、取り敢えずディアルガとかよりもっと偉いポケモンがやったみたいだ。
…あれ
「そういえばピカチュウは?さっきから見当たんないけど…」
「アイツなら俺らを見た途端に、ティナに大量の隠し子が…!!? とか言って飛び出してったぞ」
…ピカチュウ後でシメる。
「ティナー。どうするのこれから…」
「あー、マナフィ。…皆がこれじゃ依頼も探検も出来ないし、取り敢えず私はまだ眠りたい。」
「ふわぁ〜…」
「あー、フィオネちゃんも眠たい?…じゃあ、皆で一緒に寝る?皆まだ眠たいでしょ?」
「い、否私達は別に…」
「遠慮するな。…と、レジ達はあそこにある特大のシーツ持って来て」
私の指示を聞いて素直に取って来るレジ達。
走る後ろ姿が可愛い。
「…おい、コラ」
逃げようとする他の伝説系共を捕まえる。
「離せティナ!」
「止めろ!」
「掴むな!」
「私達は眠く等無い!」
他にもギャーギャー言ってるけど気にしない。
と言うか、お前ら明らかにさっきより縮んでるよな?
丁度レジ達がシーツを持って来てくれたので、強引に皆を引っ張り込む。
「さ、皆寝ろー」
「馬鹿か貴様」
「あ、それとも私の隣で寝る?」
『…!!;』
「いいのー?」
「いいよ。誰がいけないって言った?」
「やったー♪」
早速フィオネちゃんが私の隣に来る。
レジ達も遠慮がちにくっついて来た。
可愛いなー
なんだか子どもが出来たみたい…。
「…ぼ、ぼくも!」
マナフィ…
顔真っ赤にしてまでくっついて来るんだね。
まだ、甘えたい年ごろなんだよなー…。
それに続いて他の伝説達も集まった。
口々に、そこまで言うなら仕方あるまいとかティナが言うなら…とか言ってるけど気にしない。
…と言うか、私そんなに強く言ってないぞ?
もー、皆ツンデレなんだからー…。
まあ、いいか。
隣にいるフィオネを抱き締めて、深く深く眠った。
(日常はいつも非日常。)
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