小説

□.
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身体が…重い


自由に、動けない…


ピカチュウが、先を歩いて行く。

どうしよう

動けない


身体から綺麗な光が出てくる。

一つ一つ、出ては消えの繰り返し。

私はそれを、どこか人事のように見ていて、

ピカチュウが、振り向いた。


「ティナ…?どうしたの?その身体…」


「…ごめんね。ピカチュウ。私は、ここでお別れなんだ…」


「どう…いう事…?お別れって…意味わかんないよ…」


「……………」


話している内にまた光が強くなったみたいだ。


「嫌だ…」


…!


……私も


「嫌だよ…」


………私もだよ


「ティナぁ!!」


ピカチュウが、抱き付いてきた。


一段と光が強くなっていく。


「だって…せっかく、星の停止を食い止めたのに……ティナがいなくちゃ…意味がないじゃないか!」


ピカチュウの目に涙が滲む。


………


残された時間は、少ないけれど…


私は、ピカチュウの背中をなで続けた。


せめて…


悲しみが癒えるように…




もう限界が、近いらしい…


だんだん意識が…遠くなっていく


ピカチュウが…


何か言ってる…




…泣いてるの…?





…言わなきゃ…






泣かないで…って…







言わなきゃ…




いけない…





のに…














(ああ、こんなにも私は無力)



 

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