紅姫

□揺らぐ心
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ほんと…忘れたいよ……


忘れたくても永遠に忘れられない記憶と忘れちゃいけない罪――……

涙がこぼれそうになった。




『なぁ美咲。』


そして急に後ろから声がした。




ビクッ『ひゃぁっ!』慌ててコップを割りそうになった。

『うおっ!!なんでそんなに驚くんだよ;;』

『べ、別になんでもないよアハハ、てかいるならいるって最初に言ってよ!!』



美咲は普通を装うが総悟は異変に気づく。




『おい、お前どーしたんだよ』
総悟は美咲の隣に座る。




ピクッ 『別に、なんにもないよ。ほんとに……なんにも――。』


泣きそうな顔してるくせに何がなんにもないだよ……


俺は今にも泣き出しそうな美咲の顔を見て思わず抱きしめた。


ギュッ

『ちょっ、何してんの!!放し――『放さねー』

俺は腕の力を強める。


『ふざけるのもいい加減にして!!!』
美咲は総悟の胸板を押す
だが離れてくれない


『ふざけてなんかねー』

ふざけてない真剣な声

なんで急に……
やめてよ………



『俺はいつも真剣だ。』


『あのセクハラも胸さわるのも♯♯?』


『……あれは半分冗談だけど;;』

当たり前だよ;;あれも本気だったらこれからあんたにどーゆー対応したらいいか分からなくなるよ;;


『俺は…お前だけが好きだ。それは冗談なんかじゃねー』

一回わたしから離れるが手を握ってきて手だけが離れない。

それに……真剣な目……

やめて…わたしを乱さないで…

あんたとはずっと幼馴染の関係でいたいの……


『さ、3年前も言ったじゃん“わたしより弱い男は好きじゃない”って!!』
力強く言う美咲



『………じゃあ今すぐ俺の手から脱出してみろよ』

総悟が手の力を強める。

『痛っ!!』



『痛い?自分がまだ俺より強いって思ってんのかィ?バカいっちゃいけねぇや片手だぜこの程度で痛いって言って逃げられないのに、まだ自分より弱い男は嫌だって言うか?』

『っ…!!!』


『オメーより強い男なんて星の数ほどいるぜィいい加減気づけよ。もうお前だって本当は気づいてるんじゃねーの?』



『な、にがよ?』


『俺はもうとっくにお前より強いってな』



『……。』


『男と女だぜ?力の差なんてすぐに開いていくに決まってんだろィ?』


……知ってるよ。

そんなこと。

最初に拳を受け止められたときに……そんなことくらい……


気づいてた。


3年前から思っていた。

2年もしたらあんたにすぐ力なんて及ばなくなっちゃうことくらい。













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