紅姫
□ライバル宣言
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『紅姫だぞ!!』
『――――!?』
わたしは驚き、目が大きく開いた
『はっ!わかったか?今までお前はこの人にずっとなめた口を聞いてたんだよ!!』
得意げな顔でわたしを見る
…別にお前が紅姫じゃないのになんでそんな顔してるわけ?
『わかったか?わたしは“紅姫”なんだ、みーーんなわたしの名前を聞いたら金を置いていってくれる!!わたしは強いんだ!!ほら、怖いだろ?泣き叫べ!!膝まづけ!!そしてとっとと金をおいて消えな!!』
ガハハハハと高笑いする偽紅姫
怖い?
強い?
泣き叫べ?
おまけに金をおいて消えろ…?
ハハハ……
ふざけんじゃねーよ
別に紅姫の名前を借りるのはかまわない
今はわたしは紅姫じゃないのだから……
けど紅姫の名前を使って私欲の為に人を傷つけてるのだったら
話しは別……
紅姫は…昔のわたしの名前でもあるのだから……
プチッ
そしてそのときわたしの中で何かが切れた
『…んじゃねーよ』
『あ?』
『……ふざけんじゃねーつってんの、集団じゃないと何も出来ねぇー奴がいきがんじゃねーぞ…』
急に美咲の雰囲気がガラリと変り、戸惑う女達
『そもそも何が“紅姫”だよ、偽もんが…喧嘩もサシで出来ないくせに…』
ギロッとすごい目で睨みつける
『な、偽もんだと!?どこにそんな証拠が…!!』
『…“紅姫”は私欲の為に暴力を使わない。それに集団で1人を囲むだなんてそんなかっこ悪いことなんてしない』
『う、うるせーよ!!!わ、わたしが…わたしが紅姫なんだよ!!!』
バコンッ
ドガッ
ドコッ
バキッ
『ガッ…ハッ!!』
フラッとわたしがふらついた時
『みんな抑えときな!!!』
ガシッ
後ろにいた女共がいっせいにわたしの腕をつかみ始めた
…ヤバイね…
グッ
腕に力を入れるがあまりにも人数が多すぎて振り払えない……!
万事休す…か…
向こうが腕をふりあげた
やばい…!
目をつぶって諦めた
そのとき
『てめーら何してんだよ!!!』
『きゃっ!!!』
ガシャーン!!
偽紅姫が倒れこんだ
そっと目を開けると
そこには―――
『な、んでここに……』
。