片目兎
□過去編 消えた心
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ここに来て3年が過ぎた
望愛は8歳になった。
5歳の時と違い、さらに磨きがかかっていた
わたしは家族を忘れたことはない
むしろ日に日に家族を思い出す
夢の中のわたしは満面の笑みで、笑ってる
でも、目を覚めると…
『んっ…』
壁は灰色のコンクリートに鉄格子…
家族はいない。
「よぉおはよう。目ェ覚ましたみたいだな」
『M…おはよ〜』
眠たい目をゴシゴシ擦る
Mは初めて会ったときよりも正直大人っぽく、かっこよくなってた。
たしか…12歳だっけ…
4つしか変わらないのに大人っぽい
「…さっきも1人死んだ。」
『…うん』
訓練が苦しくて少しでも失敗したら即半殺し……
軽くて背中に鞭で5時間以上殴られる
その傷のせいや、辛さで死んだり、自殺する人達がいたりもする
最初に来たときより半分くらい人が減った
わたしもたまに罰を食らわされるときがある
ほんとよく生きてこれたな…
だがわたしとMはまだ少ないほうだ
そういえばこないだ言われてたっけな
――0432−Mと9432−Gは優秀だ。――
――どっちかが―――
どっちかが…なんて言ってたんだろ?
まぁいいや。
今はソレよりも…
ギィ
扉が開く
「オイ、時間だ」
そう言われ、今日もわたしたちは訓練をさせられる
。