片目兎

□殺す価値
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『ぎ…銀さんんん!!みんなァァァ!!』



神楽たちが落ちたほうに向かって叫ぶ清太




『少しやり過ぎたかね。うるせーじーさんにどやされそうだ』




『いーけないんだーいけないんだー。しーしょぉーに殺される〜』




『お前も一緒にいたんだから同罪だろ♯!!』




『わたしは愛弟子だから大丈夫。ばいばいみんな長いことお世話になりました』


そう言って目を瞑り手を合わせた



『縁起でもないことことすんじゃねぇぇぇぇ!!』





だって師匠だもん。怒るってこれ。





『大丈夫だよ鳳仙の旦那はこんな町より花魁様にご執心だ。
このこを連れて行けば機嫌も直る
それにこれ位やらなきゃ死ぬ奴じゃないんでね』



いや…でも…途中で俺は力を緩めてしまった。





俺らしくもない…





本気で殺すつもりだった。


でも…できなかった……


あんな奴ら心底どうでもいい。



けど





望愛が悲しむと思ったから……



あいつの泣き顔がふと脳裏に浮かんだから…






あいつの泣き顔はもう……見たくないんだ……





二度と―――……。



『知り合いでもいたか?』







『いや、もう関係ないや』




非情な言葉を発する神威



けど…あんたは―――










いてもたってもいられなくてわたしはついつい神威の背中に飛びついた




ガバッ

ズシッ『わっ!』


急に背中に重みを感じた神威


そしてそんな神威の耳元にわたしは囁いた


ボソッ『…ありがと!』

神楽を殺さないでいてくれて…


『…何がだい…//』




ボソッ『わかってるくせに。あーもう!!サイコー!!さっすが神威!!大好き☆』



ドキン///

今俺の心臓の鼓動はすごく早い


自分でもわかる。



望愛の息が耳にかかるし、望愛の良い匂いがする。望愛の温もりが直に背中から伝わる。





それに―――



“大好き”



やばいやばい嬉しいとかそんなレベルじゃない。生きててよかっただよ






でも悲しいことに望愛の大好きは少し違う意味だ


俺の大好きと望愛の大好きは少し違う…



でも嬉しいことには変わりない。



まぁ振り向かせるからいいけど。





必ずね―――……


何年かかっても…俺の気持ちは変わらないんだから…













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