ゆめ
□寂しかったの?
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コンコンッ!
「万丈目、入ってもいい?」
「鍵などかかってない。さっさと入ってこい!」
確かにあってないような鍵だものね。まぁ一応、断ってから入らないと。部屋の中で何してるか分からないしさ。それに万丈目、すぐ怒るから。
「おじゃましまーす!って、わぁっ!?」
ドアをあけた瞬間、精霊たちが泣きついてきた。なんでも万丈目の機嫌がすごく悪いんだとか。よしよし、と精霊たちを慰めてやる。それにしてもすごい数だな。まぁ、万丈目が機嫌悪いなんていつものことだと思うけどね。
「万丈目、何そんなに拗ねてんのよ。」
「俺は拗ねてなどいないっ!もとはと言えば、貴様が原因だっ!」
「……あ。」
ひとつ思いあたるふしがあった。このごろ忙しくて、全然かまってあげられなかったのが原因だったり?まさか、それで精霊たちに八つ当たりしていたってことか。あははっ、万丈目ったら寂しがり屋なんだから。
「分かった分かった。ちゃんといっしょにいてあげるから!」
「なっ!?」
照れてる万丈目に向かってダイブする。周りの精霊たちも空気を読んだのか一斉にいなくなっていた。いつもならこっそり隠れて見てるんだけどそんな気配もないみたい。
「き、貴様がどうしてもいっしょにいたいというのなら…。」
万丈目はこっちを見ない。照れて下を向いている。全くかわいいやつだなぁと思いながらツンツン頭を撫でてあげた。
寂しかったの?
(遊びに来ない貴様が悪い!)