ゆめ2
□究極の勘違い
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「ジャック?」
「ああ…。」
ジャックは玄関に入ると直ぐに後ろから寄りかかってきた。自分で自分を支えきれない程具合が悪いのかもしれない。さっきまでこんな状態のジャックに運転させてたなんて。乗る前に気付ければ良かったんだけど…。
帰る途中、蛇行してしまう程運転も怪しかった。やっぱり送ってもらうなんて出来ないと思ってジャックの部屋に来たんだけど正解だったみたい。もし気付かずに私の家に行っていたら倒れていたに違いない。
「ねぇ、ジャック。」
「そ、そうだな。こんなところでは…。」
そうそう、玄関で倒れたら大変だよ。ただでさえ具合が悪いんだから。きっと悪化しちゃうよ、こんなところで寝てしまったら。
「ね、中に入ろう?」
運転中から震えていた手を取り、ギュッと握る。やはりジャックの熱はまだ下がっていなかった。
でもジャックは分かってくれたみたい。サッと離れて自分で歩き出してくれた。支えてあげたいんだけどジャックは大きいから。私ひとりでは支えきれないんだよね。
「こういう時はだな…。」
「どうしたの?」
私はジャックに許可をもらって台所を見ていた。何か作ってあげたらいいかなって思って。そしたらジャックが遠慮がちに話しかけてきた。「こ、こういう時はシャワーを浴びるべきではないのか?」って。頬も紅いし、風邪の可能性もある。本来ならば止めるべきなのは分かってる。でも何だか汗ばんでいるようだったので浴びてくるように促した。やっぱりさっぱりしてから寝たいよね。さっき少し回復したみたいだったからたぶん大丈夫。それにシャワーの前に栄養ドリンクも飲んでもらったからだんだん良くなるはず。弱ってる時にはとにかく栄養補給が大事だよね!
それにしてもジャックって栄養ドリンクが好きなのかな?冷蔵庫に結構あるし、常備してるみたい。さっき渡した時すごい嬉しそうだったな。それにしても高そうなのばっかり。これまむし…?
「あれ?」
何かお風呂場の方からジャックの声が聞こえたような気がする。もしかして私を呼んでる?そうだよね、具合悪いんだからシャワー浴びるのも大変だよね。早く行ってあげなきゃ!
そう思った私はバスタオルを持ってジャックがいるお風呂場へ急いだ。
究極の勘違い
(※ジャックはものすごく元気です)