ゆめ
□天才と紙一重
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天才ってもっと変な人だと思ってた。
「んんん〜〜、Join!!」
「ごめん、前言撤回。」
「どうしたんだい、ハニー?」
声に出すくらい激しく前言撤回したくなった。こいつは変人だ。でも、何かこいつは天才のイメージとかけ離れている気がするんだよね。天才ってもっと関わりにくい雰囲気で対人関係スキルなんてゼロだと思ってた。だからこいつは当てはまらない、そう思ったんだけど。対人関係スキルがありすぎるのも困りものだな。
「吹雪ってさ、何でそんなにウザイくらい人懐っこいの。」
「ひどいなぁ、僕は人見知りするタイプだよ?」
「嘘だッ!!」
私に散々絡んだ挙げ句、海岸にまで連れてきておいてそれを言うのか。今、女の子に囲まれて、笑顔とそのエロ声を振り撒いてるのはどこのどいつだ。お前が人見知りだなんて認めないからな!!どんなことにも首を突っ込むし、恋の魔術師とか言って人の恋愛にも世話を焼く。天才ってそういうやつだったか?
「君って恋してるの?」
ほら、また変なことを聞く。人がいなくなった途端にまた私に絡んでこないでよね。もし、私が恋してるとしても相手はデュエルかカードだよ。残念だけど、吹雪の出る幕はない。
「もし、恋してるなら僕が協力してあげるよ。」
なんだと。言ったな、後悔するなよ。今度から趣味は吹雪をデュエルでフルボッコにすることになるぞ。
「よし、吹雪。デュエルしろ。」
「唐突にデュエルを申し込むなんて…君にとってデュエルは挨拶のキスのようなものなのかい?」
だから、どうしてそうなる。こいつの頭の回路はどうなってるんだ。私が凡人だから分からないだけなのか?まぁ、亮なら分かりそうな気もするしな。だけど、私の場合間違ってる訳じゃないか。
「私にとってデュエルがそれ以上のものだと言ったら…?」
吹雪はニヤッと嬉しそうな顔をした。何となく嫌な予感がする。
「デュエルが特別ってことは、その相手をする僕も特別ってことかい?」
どう考えたらそうなるんだ。別に吹雪は特別じゃない、きっと。さて、私の趣味を楽しむとしよう。
「覚悟しろよ、この天才野郎!!」
天才と紙一重
(やっぱりあいつはただ変人だ。)