その他CP・ALL

□すべて夢のように
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 1日の終わりには、日が沈む。そして、暗闇の支配する夜の時間がやって来る。
 それは、当たり前と言えば当たり前の出来事だ。人間にはどうする事も出来ない、自然の営み。
 当たり前では無いのは、この現代は夜でさえ完全な暗闇ではない事ではないだろうかと将臣は思う。流石に学校の屋上から見下ろす風景からは明かりはさほど見えないものの、家の明かりや街灯は何処に目線を流しても目に入る。
 つい数百年前までは、夜の闇を眩いばかりに照らすほどの明かりは無かった。夜を照らすのは、仄かな蝋燭の明かりだけ……。将臣は、実体験からそれを知っていた。京の世界から戻って来てだいぶ経ったものの、やはりこうしてふと思い出す事がある。あの世界で起きた事、成し遂げられなかった事。辛い思い出や、楽しい記憶を。

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