Novel

□*チョコの日*
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貴方は甘いのが嫌い


きっと嫌い



だから私は貴方のために


特別をあげる















*チョコの日*



















今日から一週間前

中華連邦にいらっしゃる天子様の下へ皇 神楽耶様がいらしておりました。

その時神楽耶様は天子様に言いました



2月の14日は


大好きな殿方へ女性が贈り物を捧げる日だ、と。


特にそれは甘い甘いチョコレートがよいのだと


神楽耶様は言いました。



天子様はそれはとても楽しそうに微笑みを見せ


『是非送ってみるわ!』

と返したそうな…。









神楽耶様がお帰りになられて1週間


天子様は悩んでおられました



それは


チョコレートをあげたい相手

星刻が甘いものをすきそうに見えないから


きっと甘いのは苦手なんだ、と考えておられたのです。


折角殿方へプレゼントを贈るのならば喜んで頂きたい

だから天子様は悩んでおられたのです







「天子様、最近どうなされたのですか…?
 何か悩んでいるような…」

たまたま通りかかった星刻が天子を心配そうに見つめると

天子はぼわっ、と顔を真っ赤にして視線を逸らす

そしてこう言った

「だ、大丈夫です!!気にしないでください…!!」

「そう、ですか…?」

星刻は不思議そうにその場を立ち去った

それを見て天子様はほっ、と一息つき、また悩みふけていた。


すると暫くして次は香凛が天子様のもとへやってきました。

「天子様…ひょっとして以前神楽耶様が言っていたことが気になるんですか?」

「え、そ…それは…」

「確かに星刻は甘いもの苦手そうですものね」

香凛は天子様が悩んでいたことを見抜き優しい笑みを見せた

すると天子様は小さく頷いて返す。

「だったら甘くないチョコを使ったらどうでしょう?」

「甘くないチョコなんてあるの?」

「ビターチョコレートというんですが、ありますよ。
 それならきっと星刻も食べることができると思います」

「じゃ、じゃあ…それで作りたい」

「わかりました。では用意しますので…
 明日一緒に作りましょう、どうせなら手作りの方が楽しそうですし」

「うん!」

天子様は嬉しそうに頷いた。





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