give&take

□だから君にキスをした
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今日も会えない。

いつも嬉しそうに僕の名前を呼ぶアイツ




「骸・・・・」



誰もいない応接室に僕の声だけが響く

アイツの笑った顔が僕の脳裏に焼きついてさっきから
離れない。



「馬鹿・・・」

「誰がですか?」

「!!」

「おや?そんなに驚いてどうかしまいたか」

「うるさい。邪魔だよ
早くどっか行きなよ」



こんなにも会いたかったのに

気持ちとは逆の拒絶の言葉が彼に浴びせられる



「クフフ。呼んでいたのは恭弥君ですよ?」

「!!」

「会いたかったなら素直に言えばいいじゃないですか」

「顔も見たくない。
僕の前から消えなよ」

「そうですか」


笑顔で言った骸。

見間違いか骸の顔が悲しそうに見えた。



「今にも泣きそうな顔をしてますよ?」

「そんな顔してない」

「クフフ」

「!?何するの?」



頭に手を置いて悲しそうに微笑む愛しい人


そんなんじゃない。


僕が見たいのはずるくて、優しくて、温かい笑顔なのに




「違う。」

「?」


何に対してなのか分かってないような顔をする骸



「違う。」

「・・・・・分かってますよ。」

「違う。分かってない。貴方は全然分かってない
僕が見たいのは・・・」



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