戦国

□ソノ涙ノ理由
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「政宗様、明後日は武田との同盟の話で甲斐まだ行く予定になっております。
なので勝手な真似はしませんように。」

「……まんねぇ…。」

「はっ?」

「そんなもんつまんねぇ!!
同盟を組むならその場所の良い所を見なきゃならねぇ。
だから甲斐まで行ってくるな♪」

「まぁそれもそう…って、今から甲斐に向かうのは!……もう居ない……



目の前にいた主人はいつの間にか消えておりそこに残された小十郎は小さくため息を吐いた。











奥州から離れた小道に政宗はいた。

政宗はニヤニヤと笑いながら愛馬を走らせていった。



「HA!ここまで来れば良いだろうな。」



一回馬を止まらせて辺りを見てみる。

……人の気配はない。

小十郎の事だから追っても無駄だと思ったのだろう。
まぁ何もなく甲斐に行けるのはいいが、帰っていったらきっと怒鳴られるだけじゃすまないだろう。



「(ここまで来たんだ…甲斐の“良い所”でも見に行くか。)」



愛馬を数回撫でたあとまた走らせていった。










甲斐の国境まで来ると流石に腹が空いてきたため近くにある茶屋で休む事にした。

茶屋はなから小さめで外に二つ椅子と机が置いてあった。
中にも座る場所があったが外の椅子に座り団子を一皿頼む。



「(にしてものどかな所だな…。)」



静かな所は嫌いではない。逆に良いと思っている。




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