戦国
□優しい手
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*少しグロい表現があります。
大丈夫な方はどうぞ。
「佐助、佐助!見てみよそれがしだってのぼれるのだぞ!!」
「ちょっ何をしているんですか!?そんな高いところ登ったら降りられないでしょ!」
「!!?ふぇ…はうぅぅさっ佐助〜(泣)」
「はぁ…全く……。」
俺より小さくて俺より体温が暖かくてまだ汚れを知らない幼い子供。
勝手に木登りをして降りられなくなった弁丸を壊れやすい物を扱うかのようにしっくりおろした。
「怪我とか無いですか?」
「うむ、大丈夫だ!」
先程の泣き顔とは違い夏の太陽に向って咲いているひまわりのような笑顔で笑いかけた。
佐助も釣られて笑ってしまったがまだ笑顔というのは馴れないものだ。
少し引きつったか?
うまく弁丸様に笑えたのだろうか??
闇の中暮らしていた佐助にとって今の生活は忍にとってあるまじきような物だった。
「ほら、戻りましょう。弁丸様の大好きな団子がありますよ。」
「まことか!?なら早く戻ろうぞ、佐助!」
「そんな急がなくても団子は逃げませんよ…。」
自分の手を一生懸命引っ張る弁丸の姿にまた無意識に笑みが零れてしまった。
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