戦国

□太陽みたいな君
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紅蓮の鬼と人から言われても旦那は人の子だ。
痛みも感じるし感情だってある。

そんな旦那を“化け物”と言うのならそいつはただの馬鹿だ。

本当の旦那を理解していないだけなんだ。



「佐助〜団子〜〜!」

「ちょっこれで何本目だと思ってんの!?」

「……じゅうご?」

「十七だよ!いくら何でも食べ過ぎだよ!!」

「うぅぅ〜…。」



幸村は頬っぺたを膨らませて上目遣いで佐助を睨んできた。

これが紅蓮の鬼と呼ばれた真田幸村の休日の姿だ。

甘いものに目が無くて、誰にでも笑顔を撒き散らしている。

だから幸村の事を恐れている者達はたまにだが愚かだと思う。

幸村は恐くなんか無い、むしろ可愛いと思うのが正しいだろう。



「佐助ぇ〜。」

「………。」

「あと五本!」

「………。」

「なっなら、四本だ!」

「……はぁ、しょうがない三本ね。」

「やったでござる!!」



言っちゃ何だが旦那は精神年齢が低いと思う。

見た目は大人なのに………………いや、普通の人より身体は細いか?
今日からスタミナがあるご飯にするか。

そんな事を考えていると幸村が佐助の顔を覗いてきた。



「?どうしたのだ佐助、悩み事なら聞くぞ!」

「ん?いや、今日のご飯の事を考えてただけだよ。それより旦那に相談事なんて有る分けないじゃん。」

「何だが某を馬鹿にされている気がするぞ……。」

「そんなつもり無いよ〜。はい、団子。」



話を反らすかのように手元にあった団子を幸村に差し出す。



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