03/07の日記

18:53
遠野ハルナの嫉妬
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わたくし、遠野ハルナは劣等感の塊と言っても過言ではない
運動も、勉強も、何もかも姉や兄、妹には敵わない
姉程の美しさも、兄程の器用さも、妹程の可愛さも持ち合わせない
姉のようなカリスマも
兄のような人脈も
妹のような才能も
わたくしには――何もない



「……はぁ。馬鹿らしいですわね……」

「……おいらからすれば、ハルも随分反則だぴょん」

わたくしの目の前には、コーヒーを手に呆れたようにこちらを見る少女――否、少年
遊佐宇佐兎々(ゆさうさ とと)と言う名で、独特の口調をしたうさ耳少年。
正直な話、こいつと会話するのはとっても面倒くさい。
語尾がうざく一人称を統一しないとっても鬱陶しい奴だ。
でも愚痴をするのにコイツ程役に立つやつはいない。
口が堅い、見た目とは裏腹に真摯であり、そして――兄達との接点が無い。
つまり、愚痴をしても黙っててくれ、しっかりと聞いてくれ、尚且つ兄達の影響を受けないのだ。

「反則、ね……。貴方が彼らを見て何と言うのか気になるところですわ」

わたくしの言葉に兎々はへらりと笑う。
コイツは常にへらへらとしている。
何が起きようと、何を言われようと、何をされようと、その笑顔が崩れた事はない。
彼女達、特に涼風空がコイツを見てどう思うのかも、気になるところではある、が――

「俺様ちゃんもちょっと会ってみたいぴょん」

「やっぱり合わせられませんわね」

「俺……何かしたぴょん?」

何と無く、兄達には会わせたくない。
コイツの幼馴染は独占欲が強いし、あまり女性に会わせるのは怖い。

「あら、わたくしはただ、ちーちゃんに睨まれないように配慮しただけですわ」

「ダウト。……というか何でちーちゃんが出てくるぴょん?」

「……千歳も、可哀そうに」

……全く、この鈍感の何処が良いんだか

「で、何で僕を会わせたくないんだぴょん?」

そこを追求しますか

「兄達に、盗られたくないだけですわ」

兄達、悠も龍弥も空も隼も鼎も、皆才能に溢れ、人が周囲に集まるカリスマを持った人間だ。
……何故か色々と厄介事を持った人間ばかりだが。

「……はぁ。ワタクシメはモノじゃないぴょん。そして、誰かと仲良くなるとハルハルとの縁を切るような薄情な人間でもないぴょん」

「……ダウト。縁を切るような人間ではありませんが、貴方はなかなかに薄情な人間ですわよ」

「え、割と本気で傷付くんだけど……ぴょん」

思わず語尾を忘れるほどショックですの?
当たり前だぴょん

そんなやりとりを数度

分かっている。彼が薄情ではないと
彼は、うさ耳以外は比較的常識的で……兄達ともきっと、というか確実に仲良くなるだろう
……だから、不安
そんなわたくしを見て、兎々はまたへらり

「前から思ってたけど、ハルたんはハルっちも人を惹き付ける人間だって分かってないぴょん。ワシと違って、何だかんだで常人より凄い人間なんだし自信を持つぴょん」

……コイツは真面目な事を言っているのは分かる。
だけど、その口調とか一致しない一人称で全部台無しですわ……

「兎々は、本当に残念な人ですわね……」

「……前から思ってたけど、自分の中で話を進めるのは止めて欲しいぴょん」

困ったようにへらり
……こいつの笑みを一度崩してみたいですわ

「あれ?ハルナ?」

と、口を開こうとした私を遮る一つの声
その主は――空色少女

「……今度はうさ耳少女か。また個性的な人だなぁ」

そして、兎々を見て疲れたように呟く空
確かにわたくし達の周りには個性しかない人々が多いですけれど初対面でそれは……兎々なら仕方ないですわね

「少女じゃないぴょん。男だぴょん……いや、確かに男でうさ耳はイタいだけだし俺が女の子っぽいのは否定しないぴょん……」

「あー……ごめん。……というかまた性別不詳が……」

「……悠、隼、ゆうき、ひむろ、レイン、秋那、それから、貴女もですわね」

なんだこのややこしい集団

「気を取り直して、ボクは涼風空。ハルナの義姉だよ」

「わちきは遊佐宇佐兎々だぴょん。ハルナの……親友?」

「そこは断言しなさいな」

「親友だぴょん」

少しだけ、冷たい何かが背後を襲ったけれど、ここは譲れない
というか、貴女独占欲強すぎですわよちーちゃん……

「……」

空が驚いたようにこちらを見ている

「なんですの?」

「いや、珍しいなぁ、って。あの悠の目をかいくぐってハルナと会える男の子なんていたんだね……」

「遠い目をしないでくださいな……。というか兎々、貴方一体どうやってるんですの?」
そういわれてみればそうだ。
あの過保護な兄が、男の子と二人きりなんて――

「……? どうやってって言われてもわっちは『悠』なんて人は知らないぴょん」

ですわよねぇ……

「知らず知らずに撃退してるとか?」

…………

「兎々……恐ろしい子!!ですわ」

「……そういえば、ちーちゃんが最近面白い子を見つけたらしいぴょん」

……ちょっと待って

「……それは、一人称が『ボクちゃん』でどうみても美少女なのに男の子でハイテンションなマシンガントークを繰り広げてたりしますの?」

「ちーちゃん曰く、『歩く機関銃』」

…………

「「絶対に悠(だね/ですわね)」」

「ちーちゃんに機関銃とまで言わせるぴょん? ……侮れねぇぴょん」

わたくし達からすれば、悠をどうにかできる女子高生の方が侮れないですわよ……







まだ半分ほど
途中からタイトル詐欺になったのは気のせいではない
ぶっちゃけると兎々を出したかっただけなお話

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