東方短編

□お薬の時間です
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「!?」

秋那に口付けをし、舌を使って口の中の薬を

秋那の口の中に押し込む

秋那が薬を飲み込んだのを確認してからようやく口を離す

所謂口移しというやつだ

「え、永琳!?いきなり何するの!?…ゲホッ」

いきなりの事に驚いて叫んだ秋那は咳き込む

一瞬女性口調になっている辺り本当に驚いたのだろう

「カミサマ用の風邪薬はちょっと特別で他人の口の中の酵素に反応して初めて効果を顕すの。
それであんな方法をとったのよ」

勿論これは嘘である

カミサマ用の風邪薬なんてものはなく、処方したのは普通の風邪薬だ

だが、秋那に風邪でちゃんと働かない頭で全く分からない薬についての、
それも一億年生きていると言われている月の賢者の嘘を
見抜けるわけもなく

「にしたって一言言うなり…」

「言ったら薬は要らないって言うわよね?」

風邪をひいている間秋那は永琳の嘘を何一つ見抜けない
(普段でさえも見抜けるかは別だが)
秋那どうするかは永琳の思うがままなのだ

それを永琳が見逃す確率はゼロに等しい

「風邪が完全に治るまで永遠亭に居なさい、いいわね?」

「どうせ拒否権はないんだろ」

「あら、拒否してくれても構わないわ。
その代わり一生永遠亭から出られなくなるけど」

秋那にしてみれば風邪をひいたのが運の尽きである

が、それは普段の行いが良くないせいだろう

結局の所、自業自得と言うものだ
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