その他短編

□雲無しの夜に
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夜、なかなか寝れないのでちょっと宿の外にあるベンチで星を見ることにした。

もう大分遅いので誰も居ないだろう。

そして宿の扉を開けベンチのほうに行こうとしたとき

「あれ、アニス?」ちょっと低めの声がした。

暗いせいか辺りが見辛い。
そしてそれと喋り方から一瞬あの馬鹿かと思った。

しかし、予想とは違いそこに居たのは秋那だった

「アニスも星を見に来たの?今日は雲が無いからね。結構星が綺麗に見えるよ。」

何の冗談だと本気で思った。
彼の言葉は普段の無愛想なところからはとても想像できない喋り方だった

「う、うんそうだけど…。口調変わってない?」

とりあえず返答し、次に疑問を口に出す。

「ああ、こっちが素なんだよね。ジェイドとイオンは気付いてるみたいだけどジェイド達の居ない場所ではこっちでいってるよ。」

これまた普段の彼からは想像できない表情…、軽く微笑んだ顔(恐らく苦笑であろう)で言い放つ

「それを私に見せていいの?」

「まぁね、それなりにアニスのこと気に入ってるし。二人きりの時だけね」
そう言った彼は悪戯っ子のような顔で私を見る。

彼の本当の顔を見るのは、そうそう無いことかもしれない。

だから、彼が本当の顔を見せてくれた事が本当に嬉かった。


ねぇ秋那、貴方は私を、裏切り者の私を許してくれますか?







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