ひぐらし短編
□竜宮とカミサマ
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外を歩いていると周りからの視線が痛い
しかし買い物はしなくちゃならない
(食事をとらなくても一週間は耐えれるのだがちゃんと三食食べろと梨花と沙都子に怒られた)
「あれ?唐草くん?」
…普通俺に喋りかけてくるか?
竜宮が喋りかけたことで周りの視線が更に痛くなる
仕方ないな
と、俺は周りに聞こえないように竜宮に呟く
「…いつでも良いから梨花に訊いて俺の家に来てくれ。」
「う、うん」
竜宮に迷惑がかからないようにその場から離れ買い物を済ませ家に帰る
それにしても…唐草“くん”?
……男だと思われているならショックだな…
「いらっしゃい、竜宮…なんでお前らもいるんだよ」
次の日、竜宮が梨花に連れてこられて家に来た
のは良いのだが
「秋那さんの事は他人事じゃありませんもの」
「僕らにとって秋那も家族の一人だからね」
沙都子と悟史まで来ている
「まぁ良いけどよ…上がって」
「おじゃまします」
竜宮だけはちゃんと挨拶して上がってきた
「座って待っててちょっと茶を取って来る」
「気にしなくて良いよ、唐草くん」
竜宮はそういうが
「家に来るのは梨花や沙都子…悟史や詩音位なんだ。だから竜宮が来てくれて嬉しいんだよ茶ぐらい入れさせてくれ。後、俺のこと名前で呼んで」
そう言うと
「う、うん。じゃあ秋ちゃんって呼ぶね。レナのこともレナで良いよ」
「分かった」
俺は部屋から出て台所に行く
季節的に…
紅茶とケーキ…後俺はコーヒー、と
先ずは紅茶を入れ次にケーキを冷蔵庫から出す
最後にコーヒーを入れ
シュガーポットと一緒にトレイに乗せて部屋に戻る
「はい、チョコレートケーキ口に合うと良いんだけど…」
全員に紅茶とケーキを回す
「おいしいのですよ」
梨花が感想を言う
「秋ちゃん、これ何処のお店で買ったの?」
レナが訊いた途端部屋の空気が変わった
それはそうだろう普通のスーパーとかならともかくケーキ屋が俺に売ってくれるわけがない
「それは俺が造ったんだが呼んだ理由を忘れるところだった、レナ」
「な、何かな、かな?」
自分の発言で場を暗くしてしまったレナは戸惑っている
「外では俺と会っても話しかけないでくれ。此れはレナの為でも有るんだ。レナが村八分のとばっちりを受けるのを見たくないからな」
俺が言うとレナは
「レナは自分が村八分のとばっちりを受けても気にしないよ?それとも秋ちゃんはレナと話すのが嫌かな?」
予想通りの返答、すると…
「…そんなに簡単なことではないのですわ」
「昔、僕らもそう思って外でも普通に話しかけてたんだ。でも僕らは梨花ちゃんや魅音の友達って言う理由でとばっちりはこなかった。だけど…」
「代わりに秋那に対してのいじめが酷くなったのですよ…。」
梨花達が言うとレナの顔が暗くなった。
「あの時は、酷いなんてもんじゃなかった。…買い物も出来ない位に」
「僕達が話しかければかける程、秋那は傷付いていくのですよ…」
「俺の事を思って言ってくれてんのに悪いな…」
「結局私達が出来る事なんて無いのですわ…」
俺はそういう沙都子の頭を撫で
「それは違うぞ。前も言ったが俺はお前らが笑ってるのを見れたらそれで良いんだ。…っと、それでもう一つ言わなきゃならないんだが…」
「?」
「俺が女だって気付いてる?」
…そして部屋の空気が凍った
さっきとは別の意味で…
なんで分からないんだよ!!