爆風草子

□未来人、来訪
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「むっ それでは刀はどうやって差すんだ?」



さっきまで感動していた近藤が、少し真面目な顔をして聞いてきた。

…表情がコロコロ変わる人だなぁ。



「そーいえば気になるなぁ、そこんとこ」



沖田は相変わらずの柔らかい笑顔。

あぁ…和むね こりゃ。
誰だ、ヒラメ顔とか言った奴は。
ヒラメなんかじゃないじゃん、猫みたいじゃん!
沖田さん日だまりとか似合いそう!!



「あはは、平成では銃刀法違反になるんで刀や銃は持てませんよ」

「護身用としても駄目なのか?」

「駄目ですねぇ。
隠していてもバレてしまえばブタ箱行きですよ」



ナイフ隠し持つとか、おもいっきり犯罪者じゃん。



「そうか…」



沈黙が流れる。

悪い話だったかなァ。
…武士の魂だしね、刀は。
模造刀くらいなら所持している人もいるけど。



「あ!」



沈黙を破ったのは近藤。
翔吾も沖田もビクッとして近藤の顔を見た。



「そういえば、まだ君の名を聞いていなかったな」



さっきまであんなにしょげてたのに。
もう元気になってるよ。
近藤さん、俺が想像してたのと同じ性格だよ。



「そういえばそうですねぇー、今更だけど」



沖田さんは相変わらず笑顔だし。



「あー、五十嵐 翔吾です。ちなみに歳は17」



ホント今更だな、自己紹介。



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