Novels.NARUTO
□携帯に、恋をした。
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毎日毎日、
変わらない
別に期待はしないわ
ちょっと、してるけど
携帯に、恋をした。
「ねえナルト、あんたってサスケくんからどんなメール貰ってんの?」
「…………へ?」
窓の外から見える景色は、夕焼けに染められ赤みがかっていた。
校庭からは野球部であろう金属音が聞こえる。
別段部活に入っているわけでもない私とナルトは、自分のモノではない席に向かい合わせに座っていた。
私は愛しの彼の帰りを待っている。
彼は部活に入っているから、私は彼の部活が終わるまで待たなければ一緒に帰ることはできない。
ナルトはヒマだったから私に付き合ってくれているだけ。
いつもならいのやヒナタ、シカマルやキバも一緒に待ってくれているのだが、今日は用事があるからとみんな先に帰ってしまった。
たわいない会話をしていた最中、突然話題を変えた。
ナルトは口を開けぽかんと私を見つめている。
私は机に突っ伏した。
「え、いきなりなんだってばよ?
それ一楽のラーメンの美味しさに関係あんのか?」
…何を言ってるのよ、コイツは。
ああ、そっか。
さっきまでどうして一楽のラーメンは美味しいのかって話で盛り上がってたんだったわね。
「違うわよ…。」
「じゃ、なんだってばよ?」
「別に。気になっただけ。
で?どんなメールが送られてくるの?」
「どんなって…『ああ』とか『そうか』とか素っ気ない内容だってばよ。」
「ふーん…。」
やっぱりサスケくんね。
誰に対しても変わらない。
「なんでそんなこと聞くんだ?」
「いやー…」
いのやシカマルだったら言わなくても気づいてくれるんだけど…
まあ、ナルトじゃ無理よね。
「サスケくんのメールがあまりにも素っ気ないから、私愛されてないのかもと思っちゃって。」
「サスケがサクラちゃんを!?
んなのありえねえってばよ!」
ナルトが嘘だけは言わないってことは知ってる。
長い付き合いだし。
でも、今回ばかりは信じられないわ…
「じゃあ、メール見てみる?」
私は胸ポケットから携帯を取り出した。
パカッと開いて画面を凝視する。
画面には、腕を組んで笑ってる二人。
といっても、笑ってるのは私だけだけど。
着信はない…
溜め息が出ちゃう…
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