Novels.NARUTO


□花は綺麗に咲き誇った
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正確に言えば、人の存在に気づいたと言うべきか。

声だけで気づいてくれると勝手に自惚れていたせいか、少しだけ表情が曇ったのが自分でもわかった。

サクラは気づいてくれなかったようだったが。

「あ、サスケくん」

どうしたの、と言ってふわりと微笑む彼女が、何時もより素敵に見えたのは気のせいだろうか。

「休憩の時間だ」

「ほんと?よかった!
そろそろお腹空いてたのよねー。」

サクラが立ち上がりカカシのもとへ向かおうとする。

俺はやはりさっきしゃがみ込んでいたのが気になった。

まさか、体の調子が悪いんじゃ?という不安が横切る。

「何してた」

「え?」

「さっき、しゃがみ込んで何してた?」

「ああ、見られちゃった?
サボってたわけじゃないのよ?
ただ、花を見ていたの。」

「花?」

「うん。そこに、咲いてるでしょう?」

サクラが指差したほうを見る。

確かに、花が4、5本咲いている。

俺はあまり花に興味はないから、まったく気づかなかったが。

「綺麗だな」

「でしょ?でね、コレ見て…」

サクラは屈んで一本の花を手に取った。

それは、まだ花を咲かせていない、小さな蕾。

「それがどうかしたか?」

「私みたいだなあと思って。」

「サクラ?この蕾が?」

「うん。昔ね、いのに言われたの。
サクラは蕾ねって。
それは、キレイな花を咲かせるって意味だったんだけど…
私はまだ、蕾のままだなって思って。」

そう言って、儚げに笑う彼女は切なくて。

俺は、

「サスケくんは、どう思」

口付けをしてやった

その時、

蕾が開いた気がした。





























花は綺麗に咲き誇った
(風に揺られ、)
(後に独りになることも知らず、)
(ただ悠然と。)

















END














-あとがき-

なんじゃこら\・ω゜/

まあ独りってーのわ…

ご想像にお任せします←







2009.8.16

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