Novels.NARUTO
□花は綺麗に咲き誇った
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俺もカカシのもとへ向かおうとしたが、何かが腑に落ちなくて、ハタ、と足を止めた。
…アイツがいない。
そうだ。いつもなら隣でナルト同様はしゃいでいる彼女の姿がないのだ。
「あれ?サクラは?」
カカシも気づいたのか、辺りを見回した。
「サクラちゃんがいねーってばよ!!」
ようやくウスラトンカチもカカシに指摘され気づいたようだった。
ナルトは額に手を当て、ベタな探し方をした。
「あー!!あんなところにィ!!」
カカシは既に見つけていたらしく、サクラのほうを見ていたが、ナルトが指を指したことによって再確認する。
「あそこじゃ休憩するなんて聞こえなかっただろうな。
誰かサクラを呼んできて頂戴。」
「俺が言ってくるってばよ!」
カカシの言葉を聞くや否や、ナルトが手を上げサクラのもとへ駆けていこうとした。
ナルトの行く手を阻むように俺はナルトの前に立った。
「俺が行く」
「は!?何言ってんだってばよ、サスケェ!
俺が呼んでくるからてめぇは休んでろ!」
「黙れウスラトンカチ」
俺はナルトにそう言うと、サクラのもとへ足を運んだ。
「カカシせんせえ〜!!
サスケが〜!!」
「よしよし。(まったくサスケはしょうがないんだから。)」
暑い…
顔を上げると、既に太陽は真上にあった。
もう昼じゃないの。
休憩はまだかしら、とカカシ先生を見ようと、顔を横に向けたら、ふと見慣れない色を見つけ、しゃがみ込んだ。
「わあ…」
それは、花だった。
名前は知らないが、4、5本雑草に紛れて懸命に生きていた。
しかし、いくら花とはいえ雑草。
自分の任務の対象。
抜かなければいけないのだと思うと心が痛む。
すると、綺麗に咲いている中に、
まだ蕾の花を見つけた。
サクラの大分近くに来ると、サクラがしゃがんでいるのが分かった。
遠くからはよくわからなかったから、ある程度近くに来たら呼べばいいだろうと思っていたが、しゃがみ込んでいるとなるとまた別だ。
何をやっているのか気になってしまう。
サクラのすぐ側に立ったが、サクラは一向に俺に気づかない。
ただ、それを見つめているだけ。
「サクラ」
「…?」
サクラがやっと俺に気づき、顔を上げた。
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