Novels.NARUTO


□携帯に、恋をした。
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はい、と言って私はその状態でナルトに渡す。

ナルトに携帯を見せるのはコレが初めてじゃない。

むしろ毎日のように見せてる気もするわ。

まあ、ノロケてるだけなんだけど。

ナルトは慣れた手つきでピッピッと携帯をいじる。

「うわ…受信画面サスケばっか」

携帯を見ながらナルトが口に手を当て言った。

「当たり前よ!」

「よくあのサスケと話続くってばよ…」

「続けるの大変なのよ?」

サスケくん、毎回二つ返事だから。

「サ、サスケからの返事が二行だってば!!」

「へ?ああ、でも改行してあるだけよ。」

「すっげー…超レア…」

ナルトが私の携帯を変なものを見るかのように眺める。

しばらくピッピッと音がしたから、他のメールを見たんだと思う。

別にナルトならいいか、って思えるのは幼なじみだからかな。

ナルトはそれから、ほい、と私に携帯を返してくれた。

もう一度画面を見る。

センターに問い合わせてみる。

…………………………。

「あー、もう!!」

携帯がガンガンと音を立てて床に転がった。

「サクラちゃん、そんな乱暴したら携帯壊れるってばよー」

「うー…実際告白したの私からでしょ?
サスケくんから好きだって聞いたことないしー…。
メールで『大好き!』って打っても『ああ。ありがとう。』としか返ってこないし。」

「サクラちゃんメールでそんなこと言ってんのか…。
でも、それでサスケが『俺も愛してるぜ』なんて打ってきたら逆にキモイってばよ。」

「確かに。」

それも一理あるわね…


〜♪〜♪


「キャッ!?」

「うおっ!?」

突然鳴り響いた音楽に私もナルトもびっくりしてしまった。

この着信音は…

席を立ち、先程放り投げた携帯に近づく。

開けば、画面には噂の彼。

メールを開くと、いつもと変わりのない絵文字もまったく使われていない素朴な文章。




何してる?
ナルトと二人きりで楽しそうに話すな。



我ながら身勝手だなとは思う。

自分からナルトに愚痴って、むなしくなって、苛ついて。

私は携帯を握り締め、画面を睨んだ。

遠くから見ていたナルトが不思議に思ったのか、席を立ち私の側に立った。

「誰からだってば?」

「サスケくんー」



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