Novels.NARUTO


□これは運命か
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運命のイタズラは、

時に残酷だ。

僕たちは、神のイタズラに弄ばれた…


これは運命か















「見て、サスケ!街だ!」

水月に指された方を見ると、確かに街があった。

人と人とが行き交うその街は、今までの道中誰にも会わなかった俺たちにしてみると、久々の人の温もり。

まあ、俺にとっては何の意味も無いものだ。

人の温もりなど、とっくの昔に捨ててきた。

あの道で、アイツと共に。

再び水月に目を戻すと、目が輝いている。

ニヤリと孤を描いた口が閉まらないようだ。

「いいだろ?サスケ。
お腹ペコペコなんだ。」

先を急ぎたいが、コイツは言って聞くようなやつじゃない。

どうせ屁理屈で返してくる。

「いいだろう。
その代わり、重悟と一緒だ。
重悟、水月から目を離すなよ」

「わかった。」

「子供じゃないんだからさ…」

「行きたいのか、行きたくないのか」

「分かった分かった」

まったく、水月の我が儘加減にはほとほと呆れる。

「香燐、お前はどうする」

「ウ…ウチは別に欲しいもんとか無えから、ここに残ってやるよ(ラッキー!サスケと二人きり!)」

香燐の心中など知らない俺は、近くの木の側に腰掛けた。

「んじゃ、行ってくるよ」

「行ってくる」

水月と重悟が俺のほうを見て軽く挨拶し、街へと駆けていった。

「サスケェ、二人きりだな…」

香燐が俺の隣に来て、腕を絡ませてきた。

振り払うのさえ面倒くさい。

何より最近あまりよく寝れていないため、瞼が重い。

瞼のやりたいようにさせてやれば、俺の意識は一瞬で失われた…


























街の中は、やはり外から見たより比べ物にならないほど混雑していた。

時々鬱陶しくなるけど、斬ったりなんかしたら重悟が黙っちゃいないだろう。

なにより、騒ぎになったらサスケに怒られちゃうからね。

さて、先ずは何を食べようか。

辺りをキョロキョロ見回すと、数メートル先に甘味処の看板が見えた。

「ちょっとあそこの店を見に行くよ。
君はどうする?重悟」

「いや、俺はいい。
あそこで休んでいる。」

そう言って、重悟は裏路地を指した。

たしかにあそこなら、日陰だし人通りも少ない。

休憩にはもってこいの場所だ。



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