Novels.NARUTO


□花は綺麗に咲き誇った
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ゆら、ゆら

それは、風を受け

静かに揺れていた

花は綺麗に咲き誇った







「なー、カカシせんせー」

「何、ナルト」

「なんで俺たちってばこんな任務ばっかなんだー?」

ナルトが遠くの方で、カカシに文句を垂れているのが見えた。

「しょうがないでしょ、お前たちはまだ下忍なんだから。
ほら、さっさと終わらせちゃいなさい。」

そう言うカカシは木陰で本を読んでいるだけだった。

早く終わらせたいならお前も手伝え、と言いたかったが、どうせ言っても無駄だろうと悟る。

ナルトは文句を言いながらも、再び目下に悠々と生えている草を抜き取る。

カカシも、手元の本に目を戻した。

ふと、いつもなら俺と一緒にナルトを注意しているやつがいない、と思い周りを見回す。

すると、遠くでせっせと草を摘んでいる姿が目に入った。

どんな任務にも文句一つ漏らさない彼女。

その真剣な様を見て、俺も頑張るか、と思えた。
























さすがに、今回は大変だと思った。

見渡す限り、草、草、草。

どう頑張っても1日で終わりそうにない。

カカシ先生にも手伝ってほしいけど、どうせ手伝ってはくれないのだろう。

そんなことを思いながらカカシ先生の方を見ると、何やらナルトと口論しているように見えた。

どうせナルトが今回の任務にケチ付けているんだろう。

口を動かす暇があったら手を動かせ、と注意してきたいが、何分この距離だ。

ナルトとカカシ先生の会話が聞こえないあたり、私が叫んでも聞こえないだろう。

諦めて、再び草むしりに集中する。

愛しの彼の横に行きたいが、やはりこの広さだ。

まとまってやるよりバラバラの方が効率がいい。

そしてまた、任務に集中した。






















「カカシ先生〜!!
そろそろ休憩したいってばよー!!」

空を見上げたら、真上から降り注ぐ太陽の光。

どうやら昼になったようだ。

俺も作業していた手を止め、カカシを見る。

カカシも空を見上げ、本を置くと木から降りてきた。

「じゃ、ちょっと休憩しようか。」

そう言うと、ナルトがやったー!!とはしゃぎながらカカシのもとへ走っていく。



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