〜世論与論〜

□民を民と思わず
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昔は、国土を拡大するため、開拓が行われていた。

人間にも同じことが言える。
戦で負けたもの、借金を苦にしたもの、罪を犯したもの、今の土地に希望が見いだせないもの等は人生をやり直すために新しい地を求めた。

しかし、今の現代は新しい地を求めるのは、非常に難しい時代と思える。

地方と中心部の差が縮まり、程の良い静かな街が無くなっているからだ。

静かな街といえば、近隣の街が発展して若者が去り、顔見知りが多く結束が強くて警戒心の強い過疎地ぐらいであろう。

テレビが与えた影響は強く、「夢」イコール「一発で金持ち」といったイメージをつけたせいかもしれない。

親に反対してまで、都会に夢を抱き、打ち崩されたものがどれだけいることだろうか。飯と住むところは確保しないといけないという理由から、期間工になった人だってたくさんいるに違いない。

新しい地を得たにも関わらず、再び新しい地を探さなければならない現実。

おまけにどこかのお偉いさんは報道越しに「彼らは本当に仕事をする気があるのか?」という始末。

いつの時代も期間工に支えられてきた国は、ついに民を民と思わぬ名ばかりの先進国になってしまったのであろうか…。

利便性の追求を喚んだ代償は今後、益々膨れ上がるだろう。



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