↓ルフィ夢/ギャグ切
奇妙な駄文ですが…、














偉大なる航路とある島、
今日もオレは賞金首のリスト片手によそ様の家の屋根の上で日向ぼっこ

つまらなさそうに一枚一枚めくっていた手がある手配書で思わず止まってしまった

「…また賞金あがってらぁ」

その手配書の写真には海賊とは思えぬほどあどけない少年が、満面の笑みで写っている

「センゴクも大変なもんだ」

ははは、と笑って一旦空を仰ぐとまた、その手配書に目を向けた

「3億かぁ…、まぁそんなもんか」

よいしょと立ち上がって力いっぱい空に手を伸ばして伸びをした
屋根の上からふわりと飛び降り港へと向かう

「さぁて、オレもいくかな」

愛船である小さな小船に乗り込んだ少年らしき少女は大きなあくび一つした









一方麦わら一味の船は無事ウォーターセブンを出航し魚人島目指して一直線

「あー、暇だぁ」

「なんも釣れねー」

釣りをしているはずなのに釣り竿を投げ出して甲板にうなだれているルフィとウソップは空に浮かぶ雲をひたすら見つめていた

「綿飴みてぇ、食えるかな」

「や、食えねえよ」

ウソップは思いっきりつっこむ気力もないのか一言そう言うと日差しの眩しさに目を細めた






「…ぁぁぁ」

「ん?ルフィなんか言ったか?」

「なんも言ってねぇ」

小さく聞こえた悲鳴に気付いたウソップは一度周りを見渡した
が、海ばかり。
空耳だと決めつけてまた甲板に寝ころぼうとしたその時だった


「ぁぁああああ!!!!!そこどけぇええ!!!!!」

「ぎゃぁああああ!!!」

ドッカーン



空から降ってきた何かにウソップは押しつぶされた
ルフィは目を飛び出させながら口をあんぐりと開けていた
もくもくと立ち込める砂埃が晴れてくるとルフィの目に映ったのは

「そ…、空からとは…見逃したぜ、」

小船に押しつぶされているウソップと

「ぎゃぁあ!!チェリーちゃん!!大丈夫か!!?」

その小船をチェリーちゃんなどと呼んだ少年だった。

「なにがチェリーちゃんだクラぁ!!オレの心配をせんか!」

「てめぇ!チェリーちゃんをバカにすんじゃねぇ!オレの大切な船だぞ!」

「うっさいわ!ネーミングセンスゼロかお前ぇ!!」


ウソップと激しく言い合ったこの少年はふぅっと溜め息をついたあと目の前にいる人物に自分の目を疑った

「お、お前は!!」

そう、こいつこそ先ほどまで自分が見ていた手配書の写真の中にいた人物

「麦わら!?じゃあこの船は…!」

とっさにジョリー・ロジャーを見上げた少年は最悪だと呟くとその場に力なく座り込んだ

ウソップの悲鳴に駆けつけてきたクルー達は少年を見て敵だと思ったのかザッと構えた

「誰よあんた!!」

変な棒を持った女が叫ぶ

「まぁまぁ、落ち着いて。それよりガープが泣いてたぞモンキー・D・ルフィ」

「え?」

ガープがじいちゃんだと理解したルフィは途端に焦り出す
それを見た少年はケラケラと笑った

「えー、そこの長っ鼻、先程は失礼した。そして麦わらの一味の皆さん、オレは怪しい者ではない」

「そんなの信じれるか!」

「信じるか信じないかは君達次第だが…、」

そう言いながら肩に掛けていた刀と腰につけていた袋を芝生の上に置いた

「オレの名は…、まぁ君達に教える筋合いはない。歳は十七。で、この船の名はチェリーちゃん」

「どうでもいーわ」

「何者かと聞かれたら何者でもない」

「オイお前なに言ってんだ」

「海賊でも海軍でも一般人でも旅人でもない、強いて言うなら……、うんまぁそんなもんだ」

「お前今思い付かなかっただろ」

「お前さっきからうっさいわ!鼻長族の分際で!」

「ぁあ?だまらんかこのチェリーボーイが!」

「はあ!?あのな!オレは…」

ガコン

「やめい!」

ナミの強烈な鉄拳によって恐ろしい言い合いは幕を閉じた
船の床に沈んだ二人を見て青ざめたのはもちろん麦藁の一味の男どもだ

「あんたが悪いやつじゃないって言うのはよーくわかった、だけどどうしてこんな状況になったのかを…って、無視してんじゃないわよっ!」

「「「「「いやいやいや」」」」」

自分で気絶させたくせに、誰もが思った
そして真っ先に床に沈む彼を哀れんだのだった









「それで、さっき長っ鼻に激突したってわけだ」

そう説明する少年の頭部にはあの人に殴られたであろう痛々しいたんこぶが高々と積み重なっていた

「ふーん、だからウソップがボロボロなわけね」

殴った張本人、ナミは腕を組みながら横目で哀れなウソップを流し見る。
ちなみにオレがボロボロなのはお前の所為だ、そう小さく呟いた声は虚しく空に消えた(まぁ聞こえないように言ったのだけど)


「なぁなぁお前!おれの仲間になれよ」


船長ルフィがこちらを指差して突然そんな事を言い出した。
後ろを確認してみてもあの指の先にはオレしかいないわけで

他のクルー達はそんな後先考えない無鉄砲な船長に呆れ顔だ(オレだって呆れ顔)

「悪いな、生憎オレは一人の方が好きなんだ」

「知るか」

「いや知ってくれよ」

「もう決めたんだ!」

そう笑うこいつにロジャーの面影を見たのはここだけの話。

「・・・変わり者ばかりだな、"D"は」

「?」

そう、今までオレが見てきたその意志を持つ奴らにまともな奴はいなかった。少なくともこいつだってその内の一人。
少し、見届けてやろうか。

(あんたの孫、あんたにそっくりだ、ガープ)

「チェリーちゃんが直るまでな」


アホみたいに喜んで走り回るルフィにオレはまた、呆れた笑みを浮かべた






-







ふわりと涼しく心地よい風がオレの頬をくすぐった。
どうやら屋根で日向ぼっこをしたまま眠っていたらしい。
片手には昼まで眺めていた手配書の束。
最後にめくられた手配書は最後に見たままだ。





久しく長い夢を見た。

そこにもまた、"D"がいた
あれだけあの意志を嫌うオレが、現実で会ってみたいと思った。

そう、



(どうしようもなく、惹かれた)




目が離せなかった。



いつかは会えるだろうと、再度目を瞑ったオレは自重気味に笑った。

夢の中でさえも"D"を嫌う己自身がその意志を持っているだなんて、
それもまた、バカバカしい話。









冒頭-先の見えない物語-
(もう一度夢の中へ戻って彼らに伝えたい事がある)
(オレは"女"だと)
(そしたら)
("知ってる、なんだよソレ")
(彼があの笑顔でそう言った気がした)







────────
よければ何か一言。
返事はRe:にて...






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