文1

ハロウィンですよ
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Trick or treat!






「お菓子差し上げますから悪戯させてください」

深夜に部屋を訪ねて来たナース服姿のルカはそう言って、にっこりと微笑んだ。無駄に似合ってるし色っぽいし色々とそそる光景ではある。なにもかもが間違っていることを除けば完璧だ。

「・・・その言い方は犯罪臭いからミクとリンに使っちゃだめよ」

どこから突っ込んでいいのかわからなかったからとりあえず1番大切な所に釘を刺す。

「嫉妬ですか?!メイコさんったらお可愛らしい!」

「なにもかもが間違いだらけよ、あんたは」

服装から決まり文句からそれこそ全部がおかしかった。そんなあたしの台詞にルカは首をかしげる。一々動作に艶があるなと少し感心した。
しかしこいつはボケではなく本気で本当のハロウィンがどんなものか知らないらしい。

「あたしあんたのこと愛してるからひとつひとつ突っ込むけどハロウィンでお決まりの言葉は『お菓子くれなきゃ悪戯するぞ』で断じてあんたが言ったような卑猥な言い回しじゃないし、仮想は基本お化けの格好をするものよ。あんたのそれはコスプレ」

「・・・メイコさんに愛してるって言われてしまいました・・・・・・」

両手を頬に当てて照れるルカは可愛いが話は1ミリも伝わってないようだった。

「聞きなさいよ」

「聞いてましたよバッチリですよ。私のことを愛しているのでしょう?・・・うふふふふふ」

ルカはくねくねと体をくねらせる。

「いやそこじゃなくて」

「でもそこが1番大事なことでした」

即答で返されてしまった。・・・・・・まあ、否定はしない。

「いいけどねー」

と、ため息をひとつ。間違った情報の出所はマスターだろうし、それなら天災だと思って諦めるしかない。文句は言わせてもらうけどね。ルカのこんなえろかわいい格好青いヘタレとか黄色い思春期とかに見られたと思うと気が気じゃないんだから。

「さて」

それは一先ず後回しだ。
あたしは未だにくねくねしているルカをひょいと抱きにかかえた。

「メイコさん?」

「お菓子ももらったしゆっくりと愛でましょうかねーっとー」

ルカをベットへ運ぶ。

「今日は私が上するつもりでしたのに」

「だーめ。譲んないわよ」

「・・・お姫様だっこに免じて、しかたありませんね」

「そ?ありがとね」

「次は私が上ですからね」

「どうかしら」


あたしもベットへそのままなだれ込む。

それからあたしたちは夜が明けるまでいちゃいちゃしまくったのだった。






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