another story

□〜プラネタリウム〜
45ページ/89ページ

 数分後、相沢から電話がかかってきた。
「遅いよ相沢!二日酔いで寝坊かぁ?」
「わりぃ…。それより慎太郎。落ち着いて聞けよ。」
 普段とは違う相沢の低い声で、すぐに重大な何かが起きたという事が分かった。
「大丈夫。どうした?」
「悟志と結子が事故った。昨日の夕方。さっき香奈の母ちゃんから電話があって、詳しくは分からんけど結構ヤバいらしい。労災病院に運ばれたって。」
「………。」
 ある程度、良くない出来事を予想していたが、僕の気持ちは相沢が喋るスピードに全く付いて行けない。
「もしもし?聞こえとるか?状況も分からんし、本人達には会えんと思うけど、とにかく俺は今から病院に行ってみるわ!慎太郎も行くか?行くんだったら迎えに行くけど。」
「分かった。ありがとう。近くのコンビニまで出て待ってるよ。」
 僕は電話を切りながら、すぐに家を飛び出した。
 何故、そんなことになってしまったんだ。昨日の夕方ということは、スーパーで出会ってから何時間も経っていない。信じられない、信じたくもない。それ以上、何かを考えようとしても、何も出てこなかった。
 少し経って、相沢がコンビニの前に着いた。僕は急いで車に乗り込み、2人が運ばれた病院へ向かった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ