LongStory

□9章
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tamamori.side




どれくらい時間が経ったんだろう。


朝が来て

夜が来て

また朝が来て


そしてまた夜になった。





俺は

何もする気力がないまま

ただただ

屋上の冷たいコンクリートに

くしゃん、と座り込んでいた







俺は千賀を刺した。



偶然だった。

本当は自分を刺して

宮田の元へ行くつもりだった







屋上の倉庫から出てきた二階堂は

俺を鋭く睨んで

千賀を引きずって

この場を去っていった











「…また1人だよ…宮田…」







星の輝く夜空に

ぽつり

話しかけてみる






宮田、

そっちから俺の事、見えてる?







俺情けないよな。


だって

お前の生きてた頃は

散々お前に偉そうな態度取って

お前を散々見下して


それでも俺から離れずに

優しくしてくれたお前の良さに

気付いてはいたけど

「ありがとう」すら言えなくて。






今になってわかる、なんて

今更過ぎるよな








「…どうしたらいいんだよ…」








教えてよ、宮田。

俺はこれからどうしたらいい?




1人ぼっちで生きる、なんて

俺には無理なんだよ




自分で思ってた以上に

俺は弱い人間だったみたい







「…宮田はどうだったんだろ…」









ひとつ。

疑問に残ってる事がある。






宮田は

誰に殺されたのか。









今まで

自分の事ばかり考えて

1人ぼっちだって思ってたけど



お前も

1人ぼっちで

死んでいったんだよな








「…寂しかった?…怖かった?」






星のキラキラ輝く夜空。

でも

どこかその姿は

悲しみを帯びているようにも見えた。








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