LongStory

□4章
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senga.side




無意味な争いが始まって

三日目の朝。



俺は

体育倉庫のマットの中から

ゆっくりと顔を上げる



…また朝が来たんだ。



いつ誰に殺されるかわからない、

ビクビクしながら過ごす1日がまたやってくる





「…腹減ったなあ」






昨日

食料配給の放送は聞こえてたけど


やけに気が重くて

行く気になれなかった



行ったところで

今度は食料を巡った争いがあるんだ


争いばっかで

助け合うとか

信じあうとか


そういうの

皆の脳裏には浮かばないのかな




もしかしたら

全校生徒が協力して

この争いを操る奴に講義でもしたら


少しは

変わったりするのかな、なんて考えたりするけど

俺には皆を指揮するような

力も勇気もない






いつもいつも

ニカの後ろにくっついてるだけだったんだ。








「…ニカ…」







空は少しずつ

曇り始めていた







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