LongStory
□1章
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senga.side
春の穏やかな朝。
俺はパンをもぐもぐ食べながら
ゆっくりと、
学校までの道のりを歩いていた
時刻は8:55
遅刻なんてしょっちゅうの俺は
そんな事も気にせずに
青空に向かって腕を伸ばした
「静かだなあ…」
校舎に入ると
いつもうるさい位賑やかなそこは
シーンと静まり返っていて
俺が廊下を歩く
コツコツという靴の音だけが響いていた
―ガラ…、
「…という訳だ。お前らは選ばれた優秀な生徒達なんだ!」
教室へ入ると
担任が大きな声を上げ
爽やかな笑顔で笑っていた
俺はそれを横目に見ながら席に着き
隣の席の二階堂へと声を掛ける
「ねえ、なんの話?」
「…選ばれたんだよ」
「…は?」
「バトルロワイアルに選ばれたんだよ…」
二階堂はそう言ったきり
頭を抱えてうつむいていて
俺はそのまま
しばらく放心した
バトルロワイアル?
嘘だろ?
そういうの、
たまにニュースで
「今日は●●高校で1人生き残った」
とか聞くけど
あんな無意味な殺し合いに
まさか
自分達の学校が選ばれるなんて。
信じられない。
信じたくないよ。
俺ら、殺しあうの?
、