LongStory
□8章
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yokoo.side
―"食料配給"
朝の騒がしい放送と共に目が覚める。
ゆっくり立ち上がって
窓から校庭を眺めた。
「…戦争だな…」
窓から見えるその光景は
生徒と生徒が
ヘリコプターから落とされる食料を巡って
殴り合ったり
自分の武器である包丁やカッターを振り回したり。
今までの日常じゃ
在りあえないようなそんな光景が
今
当たり前のようにも思えてくる
「…北山、大丈夫かな」
ぽつり、と呟いた言葉に
自分でも嫌気が差した
何言ってんだ俺。
もうあいつとは
敵みたいなものなんだよ
北山は
俺の元を去った。
それはきっと
宣戦布告みたいなもので
今から俺と君は
敵同士ですよ、
そういう意味にも捉えられる
だから
もうあいつの事は忘れよう。
次偶然会った時は
どちらかが命を失う時だ。
「…」
なのに
なんで涙は枯れないんだろう
、