LongStory

□8章
2ページ/4ページ

yokoo.side





―"食料配給"






朝の騒がしい放送と共に目が覚める。

ゆっくり立ち上がって

窓から校庭を眺めた。




「…戦争だな…」





窓から見えるその光景は

生徒と生徒が

ヘリコプターから落とされる食料を巡って

殴り合ったり

自分の武器である包丁やカッターを振り回したり。




今までの日常じゃ

在りあえないようなそんな光景が



当たり前のようにも思えてくる








「…北山、大丈夫かな」






ぽつり、と呟いた言葉に

自分でも嫌気が差した



何言ってんだ俺。



もうあいつとは

敵みたいなものなんだよ





北山は

俺の元を去った。






それはきっと

宣戦布告みたいなもので


今から俺と君は

敵同士ですよ、


そういう意味にも捉えられる







だから

もうあいつの事は忘れよう。


次偶然会った時は

どちらかが命を失う時だ。








「…」






なのに

なんで涙は枯れないんだろう








次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ