* お題他 *
□『拍手小話集』
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『恋じゃなければ…』の続き
御→亮 なので苦手な方はブラウザバックm(__)m
* その手を取れたらいいのに *
「もう止めたらどうですか?」
春市を追いたてた後、ぼんやり視線の先を追っていた俺に、後ろから声が掛けられた。
振り向かなくったって解る。
こんなコト言うのは一人しかいないからね。
「みゆき」
「いい加減見てる方もツライんですけど」
「…だったら見なきゃいいんじゃない?」
「…そういうこと言いますか」
それはお前がそういうこと言うからじゃん。
と言いかけて、さすがに酷いかなと口を閉じた。
御幸は、この物好きは。
俺のコトが好きなんだって。
女の子のファンなんて山ほどいるってのにさ。変わってるよね。
それを言ったらあなたもね、と切り返されたのでもう言わないけど。
「止めるも何も、最初っから何もないし」
「この先も何もしないし?」
「…まーね」
「だったら、俺にしとけばいいじゃないですか」
何度繰り返したかな、この問答。
あー、問答って変か。別に質問とかしてないもんな。
「別のコト、考えないで下さいよ」
溜息交じりに御幸が言った。現実逃避しかけてたのがバレたらしい。
サスガ扇の要、抜け目ないな、と思いながらはぐらかす。
「考えてないよ。どうしたもんかなって思ってただけ」
「俺と付き合っちゃえばいいんじゃないですか?」
「パス。それはない」
「冷てーなぁ」
さっさと寮に戻り始める俺の後ろで、御幸が苦笑いしたのがわかった。
その後ガラリと雰囲気が変わって、あ、これはまずいかも。と思ったらその通りで。
「それでも俺は、諦めませんけどね」
続いた言葉がやたら真剣で、正直困る。
だから、思わず。
「御幸って実はドMだよね〜」
と、茶化すしかなかった。
だからさ、御幸。
お前がそれでも俺が好きだと言うように。
そう簡単に気持ちの整理なんて付けらんないんだよ。
-オワリ-
頭の中では、倉→亮→春→? でしたが、書きはじめたら何故か御幸になりました。
最初のセリフがなんとなく御幸っぽいな〜と思って。
ご来訪ありがとうございます!
2009/8/14 ユキ☆