* お題他 *
□『ありがと さよなら またいつか』
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ここにいる連中は皆そうだと思うけど、俺もセカンドとして地元でそこそこ期待されている選手だった。
スカウトも幾つか、中には一年からレギュラーを約束するような話もあったぐらい。
でも俺はそんなお手軽な未来より、死に物狂いで掴み取る道を選んだ。
一年は下積み、二年はベンチ、三年でレギュラー。俺の立てた予定は比較的堅実な未来予想図。
そう信じて入ってきたのが嘘みたいに、数日掛からず自分の甘さを知ることになった。
ここの連中の必死さと言ったら…半端にやってたらあっという間に置いていかれる。いやそれどころか既に付いていけていないかも。
不安を拭う為に、やれる事は何でもやった。
その我武者羅な努力が逆に、俺の目を曇らせていたのかもしれないね。
これはそんな、一年の秋頃にあった話だよ。
* ありがと さよなら またいつか *